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限界Lovers
第13章 私の知らない彼の顔
「みなみに男友達がいるなんて意外なんだけど」
「…何?そのいかにも私に友達がいないようなコメントは」
口を尖らせるときーちゃんは「違う違う」とかぶりを振って後ろを振り向く。
「男友達!みなみの周りって過保護が多かったでしょ?」
「多いってか…お兄ちゃんだけね」
「遥斗さんも過保護じゃない?」
「えー、そんなことないよ」
「過保護だよ。だって前会った時もね、みなみがトイレに行った間みなみの心配ばーっかしてて」
「し…知らなかった」
「話す内容もみなみの事ばっかだし。保育園の保護者さんと話してるのかって錯覚しちゃった」
「へえ、どんな?」
面白そうに駿くんも口を出す。
「みなみの寝相が悪くて風邪引かれそうで夜心配で寝れないとか、遥斗さんが夜遅くなるとみなみもご飯食べないで待ってるから気が気じゃなくて仕事が速くなったとか」
「保護者だな、しかもノロケも入ってるな」
「そんな遥斗さんと暮らしてて男の子と話ができるなんてびっくりだよ」
「きーちゃん?遥斗を何だと思ってます?確かに心配性ではあるけど過保護…ってほどじゃないよ」
「……みなみはあのお兄さんのせいで麻痺してるんだと思う」
バックミラー越しに駿くんも苦笑いで頷いていた。
「しっかし…よく兄さんが同棲許したな」
「…言ってないの」
……そう、私の同棲を兄は知らない。
私には6つ違いの兄がいて、きーちゃんたちが言うようにとても過保護で。
駿くんなどは私を泣かせると兄によーく叱られていた。
死んだおじいちゃん似の外見は厳ついから、子供の頃「みなみの兄ちゃんモンスター!」なんて囃し立てられては私は悲しくて泣いていた。
モンスターみたいな兄だけど、心根は優しくて花を愛して止まないような人だったから…
そんな兄と育った私は小学校の高学年辺りから極端に男の子との接触がなくなる。
理由は勿論兄で…
…どうやら兄が牽制してたらしいと後に駿くんが教えてくれた。
そんな兄は私が高三の時に念願の花屋に転職して家から新幹線で二時間ほどの県に行ってしまった。
そしてそっちで知り合った彼女と結婚。
…だから兄は私に彼がいることは愚か遥斗と暮らしてることさえ知らないのだ。
「…何?そのいかにも私に友達がいないようなコメントは」
口を尖らせるときーちゃんは「違う違う」とかぶりを振って後ろを振り向く。
「男友達!みなみの周りって過保護が多かったでしょ?」
「多いってか…お兄ちゃんだけね」
「遥斗さんも過保護じゃない?」
「えー、そんなことないよ」
「過保護だよ。だって前会った時もね、みなみがトイレに行った間みなみの心配ばーっかしてて」
「し…知らなかった」
「話す内容もみなみの事ばっかだし。保育園の保護者さんと話してるのかって錯覚しちゃった」
「へえ、どんな?」
面白そうに駿くんも口を出す。
「みなみの寝相が悪くて風邪引かれそうで夜心配で寝れないとか、遥斗さんが夜遅くなるとみなみもご飯食べないで待ってるから気が気じゃなくて仕事が速くなったとか」
「保護者だな、しかもノロケも入ってるな」
「そんな遥斗さんと暮らしてて男の子と話ができるなんてびっくりだよ」
「きーちゃん?遥斗を何だと思ってます?確かに心配性ではあるけど過保護…ってほどじゃないよ」
「……みなみはあのお兄さんのせいで麻痺してるんだと思う」
バックミラー越しに駿くんも苦笑いで頷いていた。
「しっかし…よく兄さんが同棲許したな」
「…言ってないの」
……そう、私の同棲を兄は知らない。
私には6つ違いの兄がいて、きーちゃんたちが言うようにとても過保護で。
駿くんなどは私を泣かせると兄によーく叱られていた。
死んだおじいちゃん似の外見は厳ついから、子供の頃「みなみの兄ちゃんモンスター!」なんて囃し立てられては私は悲しくて泣いていた。
モンスターみたいな兄だけど、心根は優しくて花を愛して止まないような人だったから…
そんな兄と育った私は小学校の高学年辺りから極端に男の子との接触がなくなる。
理由は勿論兄で…
…どうやら兄が牽制してたらしいと後に駿くんが教えてくれた。
そんな兄は私が高三の時に念願の花屋に転職して家から新幹線で二時間ほどの県に行ってしまった。
そしてそっちで知り合った彼女と結婚。
…だから兄は私に彼がいることは愚か遥斗と暮らしてることさえ知らないのだ。