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限界Lovers
第13章 私の知らない彼の顔
「大丈夫なの?」


「うん、だってお父さんとお母さんには遥斗きちんと言ってくれたし。遥斗真面目だからお兄ちゃんだって認めてくれると思うんだ」


「でも彼氏がいるくらいは言っといた方がいいかもよ?突然結婚します!とか話になったら倒れちゃうかも」


「大袈裟な…」



でも結婚云々は抜きにしても紹介はしておきたい。
来週、兄が帰ってくる。


その時に遥斗も呼ぼうかな…


「…で?みなみたちはそういう話になった?」


きーちゃんの声で我に返る。


「結婚?…今のところは。でもいいんだ…遥斗の気持ちは分かったから」



『みなみに出会えて良かったよ』


あの日の言葉が思い出されて胸がほわっと暖かくなった。


「なんかスッキリしたね」


「うん、そう…フフっ」


我ながら単純だけどその一言で私の気持ちは軽くなった。
そこには遥斗の気持ちが集約されてたから…


私は遥斗に大切にされてるんだなって…改めて実感したらそれだけで十分だと思った。



「温泉行く前にさ、その辺寄ってかね?」


「なら途中にある牧場行かない?私ドッグショー見たーい…ね、みなみどう?」


「あ、うん。いいね!」


きーちゃんの提案で私たちは牧場へ。


「うわー…懐かしい!」


「小学校の遠足で来たよね」


普段自然と親しむことのない私のテンションは最高潮で幼馴染み二人とはしゃぎまくる。


牛の乳を搾ってソフトクリームを食べてドッグショーを見て。


そしてお土産屋さんで今お土産を選んでいる。



「ねえみてきーちゃん!夫婦茶碗あるよ!!」


「使わないよ」


「ホラ名前の入ったお箸も。“みなみ”と“はると”あるかな?あっ!“きよか”と“しゅん”はあるよ」


「いらないし…やめなよー変なの買うの」


「…ないや、チェッ」


名前入りのお箸がなくてかなり残念。


不貞腐れながらチーズを見たりお菓子を見ていたら欲しいものばかりでいつの間にか夢中になっていた。


「きーちゃん!!ストロベリーレアチーズってすっごい美味しそうじゃない?」


きーちゃんに知らせたくて振り向いた拍子に通りすがりの人とぶつかってしまって。


「ごめんなさい」


「あっ…いえ、こちらこそ…あっ!」


「鈴木くん!」


それは偶然にも鈴木くんだった。











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