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限界Lovers
第13章 私の知らない彼の顔
「遥斗!」


「彼氏?」


「うん!今いたの」


遥斗に声を掛けたい掛けたい…
もし私が声を掛けたら遥斗、びっくりするだろうか。


頭の中はそんな妄想でいっぱいで…



「…行ってくれば?」


「!」


「俺、きーとお茶飲んでるから」


「でも…」


「そんな顔してるなら声掛けてこいよ。もし時間できればこっちにも遊び来てもらえば?」


「駿くん…」



駿くんから後光が射して見えた。



「…じゃあちょっとだけ…すぐ行ってくるから!」


「おう、きーにも言っとくから」



急いで遥斗の後を追うも遥斗は見当たらず…



「遥斗~どこ~」


温泉にでも行ってしまったのだろうか。
本当はいきなり声をかけて驚かせたいけど、これで見つからなかったら後でメールするしか…


その時ふと窓の外を見ると遥斗が歩いていくのが見えた。



「遥斗!!」



急いで外に向かうとドンっと通りすがりの人にぶつかってしまう。


「あ、すみません」


「いや俺も…」



相手の人は温泉に行く途中だったのだろう。
着替えやタオルが床に散らかってしまって慌てて拾い集める。



「本当にごめんなさい」



集めたものを相手に渡すとその人は目を見開いて私を見ている。



「あの…」


大丈夫?この人…
ちょっと怖くなってペコリと頭を下げ遥斗を追って走り出した。



「どうしたんだよ高橋!たかはしー!」



後方から多分さっきの人を呼ぶ声がする。
その声を聞きながらとにかく遥斗に追い付くことだけを考えていた。



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