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限界Lovers
第13章 私の知らない彼の顔
「どうしてって…思ったことを口にしただけで…」
「昔からそうじゃない!軽々しく女の子の事可愛いのなんのって誰にでも…」
「並木さん?」
何で俺怒られてるんだろう…
珍しく感情を露にする並木さんは泣きそうな顔で苛々している。
「…ちょっとお世話になっただけでちょっとしたものプレゼントしたり…いい加減そのプレイボーイ体質どうにかしたら!?」
それはみなみが雑貨屋に勤めてるからで…
でも今そんなことを口に出せそうな雰囲気じゃない。
「みんな言ってるよ?“山下くんっていいよね、可愛いよね”って。…大好きな女の子にチヤホヤされて良かったね」
「…でも彼女がいるから問題外なんだろ?それでいいじゃん。俺だってもう今は彼女一人がいれば十分だから」
「………」
「並木さんが昔から俺の事嫌いなのは分かるけど変なとこで突っ掛かれても困る」
正直、こういう女は苦手だ。
これ以上の言い合いは無意味だし仕事仲間との関係は悪くしたくなかったから並木さんに背中を向ける。
「…寒くなってきたから帰る。並木さんも風邪引かないうちに帰れよ」
「……フフっ、あはははは」
何が可笑しいのだろう…
突然笑いだした並木さんは不気味以外の何者でもなかった。が…
「私、可愛くないでしょ」
「………」
言葉に詰まる俺に尚、並木さんはクスクス笑う。
「本当はね、高校の頃山下くんのこと好きだったんだ」
「は?」
いつも冷たい目で俺を見ていたあのどこに好意があったというのだろう…
「覚えてる?あの頃私眼鏡っ子でさ、“眼鏡取ると可愛いんだな”って山下くん言ったの」
「…マジで?」
「覚えてないか…そうだよね。私は男の子に“可愛い”なんて言われたの初めてだったからよく覚えてるんだ」
あの頃の俺は口を開けば「好き」
だの「可愛い」の…
それが女子に対する礼儀だと思ってた節もあったから…本気にしちゃダメだ並木さん…
「それからなんとなく山下くんが気になって…ずっと見てたよ。チャラいけど部活には熱心なんだなとか、サッカー上手いんだなとか」
「………」
「リフティング得意だったでしょ?…毎日見てた。本当は仲良くなりたかったのに素直になれなくて…卒業して、ああ…これで終わりなんだって思ったら悲しかった」
「昔からそうじゃない!軽々しく女の子の事可愛いのなんのって誰にでも…」
「並木さん?」
何で俺怒られてるんだろう…
珍しく感情を露にする並木さんは泣きそうな顔で苛々している。
「…ちょっとお世話になっただけでちょっとしたものプレゼントしたり…いい加減そのプレイボーイ体質どうにかしたら!?」
それはみなみが雑貨屋に勤めてるからで…
でも今そんなことを口に出せそうな雰囲気じゃない。
「みんな言ってるよ?“山下くんっていいよね、可愛いよね”って。…大好きな女の子にチヤホヤされて良かったね」
「…でも彼女がいるから問題外なんだろ?それでいいじゃん。俺だってもう今は彼女一人がいれば十分だから」
「………」
「並木さんが昔から俺の事嫌いなのは分かるけど変なとこで突っ掛かれても困る」
正直、こういう女は苦手だ。
これ以上の言い合いは無意味だし仕事仲間との関係は悪くしたくなかったから並木さんに背中を向ける。
「…寒くなってきたから帰る。並木さんも風邪引かないうちに帰れよ」
「……フフっ、あはははは」
何が可笑しいのだろう…
突然笑いだした並木さんは不気味以外の何者でもなかった。が…
「私、可愛くないでしょ」
「………」
言葉に詰まる俺に尚、並木さんはクスクス笑う。
「本当はね、高校の頃山下くんのこと好きだったんだ」
「は?」
いつも冷たい目で俺を見ていたあのどこに好意があったというのだろう…
「覚えてる?あの頃私眼鏡っ子でさ、“眼鏡取ると可愛いんだな”って山下くん言ったの」
「…マジで?」
「覚えてないか…そうだよね。私は男の子に“可愛い”なんて言われたの初めてだったからよく覚えてるんだ」
あの頃の俺は口を開けば「好き」
だの「可愛い」の…
それが女子に対する礼儀だと思ってた節もあったから…本気にしちゃダメだ並木さん…
「それからなんとなく山下くんが気になって…ずっと見てたよ。チャラいけど部活には熱心なんだなとか、サッカー上手いんだなとか」
「………」
「リフティング得意だったでしょ?…毎日見てた。本当は仲良くなりたかったのに素直になれなくて…卒業して、ああ…これで終わりなんだって思ったら悲しかった」