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限界Lovers
第14章 刺客
部屋を出た私はトボトボ歩き出す。
浴場に入るとまだ誰も居なかった。
髪をまとめ服を脱ぎ、裸になってシャワーの前に座る。
鏡に映った肌には無数の華が散らされていて無性に寂しくなってきてポロポロと涙が零れる。
「ううっ…」
浮気された訳じゃない。
それなのに不安で悲しくて…
何より遥斗に抱きつかれたことが苦しくて…
がしがしと頭を洗い一緒に涙を洗い流す。
けれども涙は止まることを知らず流れ続けた。
それは湯槽に入っても変わらない。
一人なのをいいことに私はそのまま泣き続けた。
「あら、泣いてるの?」
そんな私に声が掛けられたのはその時だった。
反射的に顔を上げると綺麗な人が立っている。
「ごめんね、邪魔しちゃって」
その人は柔らかく微笑んでザブンと湯に浸かった。
「…いえ」
「こんなとこで一人で…何かあったの?」
「………」
「もし嫌じゃなければ話してみたら?スッキリするかもよ」
綺麗な人というのはどうして人の心に入り込むのが上手いのだろう。
気づけばポツリポツリ…さっきの出来事を見ず知らずの人に話していた。
「うふふ」
「……」
「ごめんね、可愛いなって思って」
お姉さんは私を頭の天辺から舐めるように見ていく。
「これ、彼氏につけられたの?」
胸元のキスマークに細い指が触れ、むにっと肌を押す。
「………」
「男って勝手な生き物だから…そうね、あなたには酷だけど危険かもしれない」
「危険?」
「夜は長いのよ?…男って夜になると意思が弱いから」
「そんな…」
確かに社員旅行なら夜は飲むだろう。
飲んだ勢いでセックスなんて体験談の常連じゃない。
「………」
「あーあ、また泣いちゃった。可愛い顔が台無し」
お姉さんが私の頭を撫で距離を詰める。
「ねえ、慰めてあげよっか?」
「もう慰めてもらってます」
「…ふふっ、可愛い返事」
お姉さんが妖艶に口角を上げた。
私は…温泉に浸かりすぎて…泣きすぎて…頭がクラクラしてきた。
頭を押さえる私の肩をお姉さんが支えてくれる。
「どうしたの?気分悪い?」
「ちょっと…」
「もう出る?」
「うん」
お姉さんに支えられて更衣室に戻る。
浴場に入るとまだ誰も居なかった。
髪をまとめ服を脱ぎ、裸になってシャワーの前に座る。
鏡に映った肌には無数の華が散らされていて無性に寂しくなってきてポロポロと涙が零れる。
「ううっ…」
浮気された訳じゃない。
それなのに不安で悲しくて…
何より遥斗に抱きつかれたことが苦しくて…
がしがしと頭を洗い一緒に涙を洗い流す。
けれども涙は止まることを知らず流れ続けた。
それは湯槽に入っても変わらない。
一人なのをいいことに私はそのまま泣き続けた。
「あら、泣いてるの?」
そんな私に声が掛けられたのはその時だった。
反射的に顔を上げると綺麗な人が立っている。
「ごめんね、邪魔しちゃって」
その人は柔らかく微笑んでザブンと湯に浸かった。
「…いえ」
「こんなとこで一人で…何かあったの?」
「………」
「もし嫌じゃなければ話してみたら?スッキリするかもよ」
綺麗な人というのはどうして人の心に入り込むのが上手いのだろう。
気づけばポツリポツリ…さっきの出来事を見ず知らずの人に話していた。
「うふふ」
「……」
「ごめんね、可愛いなって思って」
お姉さんは私を頭の天辺から舐めるように見ていく。
「これ、彼氏につけられたの?」
胸元のキスマークに細い指が触れ、むにっと肌を押す。
「………」
「男って勝手な生き物だから…そうね、あなたには酷だけど危険かもしれない」
「危険?」
「夜は長いのよ?…男って夜になると意思が弱いから」
「そんな…」
確かに社員旅行なら夜は飲むだろう。
飲んだ勢いでセックスなんて体験談の常連じゃない。
「………」
「あーあ、また泣いちゃった。可愛い顔が台無し」
お姉さんが私の頭を撫で距離を詰める。
「ねえ、慰めてあげよっか?」
「もう慰めてもらってます」
「…ふふっ、可愛い返事」
お姉さんが妖艶に口角を上げた。
私は…温泉に浸かりすぎて…泣きすぎて…頭がクラクラしてきた。
頭を押さえる私の肩をお姉さんが支えてくれる。
「どうしたの?気分悪い?」
「ちょっと…」
「もう出る?」
「うん」
お姉さんに支えられて更衣室に戻る。