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限界Lovers
第14章 刺客
「動くと辛いだろうから着替え、手伝うね」
「でも…」
「気にしないで、非常事態だもの」
お姉さんがタオルで体の水滴を拭ってくれる。
「…綺麗な体ね。若いからお肌もよく水を弾くのね」
「………」
「とりあえず浴衣、羽織らせるわね」
ササっと私に浴衣を着せお姉さんも着替えていく。
「私の部屋この近くなの。少し休んでく?」
「………」
「そうしましょう」
細い手に支えられ言われるままに着いていった。
歩くほど頭がガンガンしてくる。
「ここよ、…横になる?」
その言葉に頷いた。
部屋に入るとお姉さんは押し入れから布団を敷いてくれ、私をそこに寝かせる。
「ゆっくりしていってね」
「すみません…」
「いいのよ」
お姉さんの手が頭を撫でる。
優しい手つきはお母さんを思い出させ、安心した私は深い眠りに落ちていった。