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限界Lovers
第14章 刺客
「…あーあ、寝ちゃった」
玉美がクスクス笑いながらみなみに布団を掛けてあげる。
「玉ちゃんお母さんみたーい」
「あら♪見える?お母さんに」
「見える見える」
みなみを見る玉美の目は慈悲深くて確かに「お母さん」に見えなくもない。
「…さーてと、」
アタシは居てもたってもいられずに立ち上がる。
「ちょっと…お風呂に行ってくるわね」
「また!?」
「ママそんなに温泉好きだったっけ?」
二人にはアタシの行動が怪しく見えるみたい。
普段のパターンじゃないからそう思われるのは当たり前なんだけど…
適当なことを言って部屋を出た。
温泉に行くのは嘘じゃない。
みなみは遥斗くんが「社員旅行」だって言った。
なら…団体張り込めば遥斗くんに会えるんじゃない!?
「や、ヤダ…興奮しすぎてビンビンしちゃう」
男湯の近くのマッサージチェアに陣取りブルブルすること5回。
とうとう男の団体が歩いてくるのが見えた。
「高橋、随分温泉が好きだな」
「ツヤツヤじゃねーか」
「俺はここで運命を見たんです…このままじゃ帰れません!」
「はぁ…」
「!」
今の…今ため息をついたのは遥斗くん!!
来てたんだ…みなみの妄想じゃないんだ!!
アタシの心臓がバクバクしている。
……みなみには悪いけど恋に抜け駆けはつきものなの。
それにあの子はあんなにキスマークつけてもらってるんだからいいのよ!
アタシだって…
アタシだって遥斗くんに抱かれたい!!