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限界Lovers
第18章 デキちゃった?
みなみの姿に昼間の先輩を思い出す。


「つわりみたいだな」


みなみの飛び出したドアを見ながら無意識にポツリと…



つわり?



「………」



怠い、酸っぱいものが食べたい、気持ち悪い。



代表的な症状にハッとしてカレンダーを見る。



「遅れてる…」



そうだ、もう2日も遅れてないか!?



それから記憶を巡らせる。
…心当たりがありすぎる!



「はぁ、楽になった… 」


少し顔色が良くなったみなみはガサゴソとクローゼットを漁り始めた。


「何してるの?」


「風邪薬飲むの」


「!」


みなみ…お前は気づいてないのか!!
色んな事に鈍感だとは思ってたけど自分の体にまで鈍感だとは!!


「…ダメだ」


「えっ?」


「薬なんか飲んじゃダメだ!!」


みなみの手の市販薬を取り上げた。
みなみは驚いた顔で俺を見ている。


「遥斗?薬貸してよ」


「ダメ」


「どうして!?飲まなきゃ良くなんないじゃない!」


「飲んだとこで良くなんかなんねーよ!」


みなみの手を取る。
その手はいつもより熱かった。


はぁ…とみなみがため息をついた。


「怠い」


「…仕方ないよ。みなみ、横になって」


みなみをベッドに寝かせる。


「しばらく続くだろうけど我慢だからな。…後で医者に行こうな」


「…どうしてしばらく続くの?耐えられない」


「今そんなこと言ったらこの先が大変だぞ。…この先が本番らしいから。怠い他は?辛いとこない?」


「…眠いしお腹がシクシクする」


お腹が!?


それは大変じゃないか!?


「…医者に行こう。一刻も早い方がいい」


「えっ、もうやってないよ…」


「じゃあ救急車を呼ぶぞ!」


「大袈裟だよ…こんなの…」


「何が大袈裟なんだよ!…命がかかってるんだぞ?」


「!」


みなみの手をそっと握った。
俺の手は震えていた。


みなみのお腹に俺たちの子供がいる。
そう思ったらたまらない気持ちになった。


「遥斗?」


「………」


「まさか…私…」


「頼むから大事にして…」


俺に反してみなみは神妙な顔つきになった。


「…少し一人にしてもらっていいかな」


「えっ!?」


「ごめんなさい」
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