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限界Lovers
第18章 デキちゃった?
手を振りほどいてフイっとみなみは背を向けた。
背中が俺を拒絶している。


「みなみ?」


「一人にして…お願い」


強い背中に言葉が続かない。
少し考えてみなみの要望通り俺は寝室を出た。


リビングのソファに座って考える。


みなみ…混乱しているんだろうか。


一緒に住んで結婚の意思は話してあるけど正式なプロポーズは試験が終わったらと思ってた。


入籍もしてないこんな状況だから不安になったんだろうか。
それとも順番をすっ飛ばしたこの状態に呆れたんだろうか…


まさか…愛想つかしたりしてないよな?


「………」


とにかく俺がすべき事はプロポーズだろう。
順番は違ってしまったけど全ての責任は持つ。
だから安心しろって…みなみはもう体のことだけ考えればいいからって…


それからみなみのご両親に挨拶に行って…


「…子供か」


身近に子供が居たことがないから今一つピンと来ないが純粋に嬉しいと思う。


俺とみなみに家族ができる。


「ーーーーーっ!!ヤバイ!」


にやける口元を慌てて押さえた。
今ならフルマラソンも走れる気がする!


「とりあえず弁当でも食うか」


みなみがいないからテレビをお供に。
呑気にお笑いなんか見ながら弁当を食べていると…


「遥斗…」


気配もなく突然声をかけられびっくりした。


「うわっ!…何?大丈夫なの?」


「うん…話がある」


みなみは俺の隣に座った。


「話?」


「そう…大事な話」


思い詰めた顔でみなみが俺を見た。
もしかしなくてもそうだと思った。


「その話なら後で改めて…」


弁当食ってる途中にプロポーズもないからな。
でもみなみは首を振って今話したいと聞かない。


「あのね、遥斗」


「いや、俺から言わせてくれ」


「そんなの…辛すぎるよ」


…辛い?幸せの間違いじゃないのか?


さすがの俺もこの辺りからみなみとの温度差に気づき始める。


みなみ…まさかみなみにとっては望まない妊娠だったなんてこと…



「遥斗…別れよう」


その一言に思考が一瞬で止まった。
言葉は分かるのに脳が理解することを拒んでいる。





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