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限界Lovers
第18章 デキちゃった?
「遥斗はいいパパになりそう」


「そう?」


「もし男の子だったら親子でサッカーしてる姿見てみたい。…ていうかサッカーしてる遥斗見てみたい 」


「旅行のとき覗いてたんだろ」


「じゃあみなみの為にリフティングして欲しい」


「安いな…いいよ、そんなモンでいいなら」


言葉だけでみなみは満足そうだ。
腰から回した手で腹を撫でながら未来を語る。


……幸せだ。


「俺は…一人くらい女の子が欲しいな」


「パパっ子で遥斗が好きすぎてお嫁に行けないんだよね」


「そう」


「フフっ、絶対親バカ」


「悪いけどきーちゃんとした昔の約束もそこだけは叶えてやれないけど」


「子供同士を結婚…ってやつ?ははっ」


「でも…元気で生まれてくれればどっちでもいいけどな」


「うん」


いつもとはまた違う繋がりを感じて満たされる。


「明日みなみは休みだろ?俺が帰ってくるまでフラフラするなよ」


「うん…」


「俺もドラッグストア寄ったらすぐ帰るから」


「うん」






その日はみなみを腕に抱いて眠りについた。


眠りの中で夢を見た。


俺がいて、みなみがいて…真ん中には女の子がいる。


女の子はグイグイ俺たちを引っ張って歩く。



「早く早く!」



鈴のような笑い声に俺とみなみは顔を見合わせ微笑んだ。



「そんなに急ぐと転がるぞ」


「平気!」


「そう言っていつも転んで大泣きするのは誰?」




女の子が待ちきれないと俺たちの腕をすり抜け走り出す。




ーーー俺がその子の名前を呼んだ。




「だってパパたち遅いんだもん!」



振り向いたその子の顔は…







ゴリッ?










「!!!!」



その瞬間、慌てて飛び起きる。


心臓がドキドキドキドキしていた。


何だろう…あのゴリラみたいな子は…
知ってる顔…



知ってるのに何かが記憶を呼び起こすまいと蓋をする。


「………」


寝汗が凄かった。


まだ心臓がドキドキしている。


「…何なんだよ…ハアッ…」



時計を見るとまだ四時だった。







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