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限界Lovers
第18章 デキちゃった?
「でね、今日生理来て赤ちゃん居なかったんだ…って思ったら…最初はまた遥斗と振り出しだななんて思ったの。一緒に居られればいいって思ってたのに…また遥斗との距離が開いちゃった気がして…」


俺は…こんなにもみなみが思い詰めてるなんて知らなかった。
最善の形でみなみと入籍したいと思ってた。


だから自分のけじめとして試験に受かったらって枷をつけて…



「でもね、夕べ遥斗と話してたじゃない?昼間ウトウトしてたら夢に女の子が出てきて…多分夢の中で私たちの子供なの。三人で手を繋いで…おてんばなその子に私と遥斗は顔を見合わせて“困ったね”って笑ってるの」


「それって…」


「目が覚めたらその子は居なくて…生理痛でお腹痛くて…私が子供で自分勝手だからあの子来られなかったのかなって…そしたら…」


「みなみ」


「遥斗…私、遥斗の子供が欲しい」


言葉と同時にみなみを抱きしめた。
俺はみなみにここまで言わせた。


…格好つけてる場合じゃないんじゃないか?



「結婚しよう…みなみ」


「…あのね、無理にそう言わせたいんじゃなくてね、」


「無理じゃない。ずっと思ってた…同棲する時も本当は結婚したいって思ってたよ」



クスンクスンとみなみが啜る。


「みなみはずっと先の事だと思ってたみたいだけど…年明けの試験に合格したらプロポーズしようと思ってた。…これ本当だからな」


「…だからあんなに一生懸命勉強してたの?」


「まあ…そういうコト」


みなみが背中に手を回してきつく抱きつく。
みなみの柔らかさを感じながら昨日の夢を俺も思い出していた。

「みなみの見た夢…俺も見たよ」


「えっ…」


「可愛い声でさ、“早く早く”って俺たちの手を引っ張るの」


……顔はゴリラだったけど。


「きっと正夢だな」


「…そうだね。早く会えるかな」


「でももう少し二人の時間があってもよくない?」


みなみがやっと顔を上げた。
涙の筋がいくつもついた頬と赤い目。


「…やっと笑ったな」


おでこにキスしてぐりぐりと額を合わせる。


「俺みなみの笑顔が好きなんだよ。初めてみなみと会った日も笑顔にオチた」


「…随分簡単じゃない?」


「男は簡単なの」


「そんなに簡単すぎると心配になっちゃう」






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