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限界Lovers
第19章 二人の記念日
陽子さんはハートの卵焼きを見て薄ら笑いを浮かべた。


「俺卵焼きがこんな形してるの初めて見ました!」


「…結構よくあるよ」


「そうなんですか?…でも俺のために調べて一生懸命作ってくれたんですね…」


「ハイハイご馳走様」


「まだ食ってないです!」


とことん釣れない陽子さんに見切りをつけて弁当に箸を伸ばす。


「……ダメだ…食えない…」


「えっ?不味いの?」


「んなわけないでしょ!!…勿体なくて食えないんです」


箸が震える。
ハートの卵焼きとか目のついたウインナーのタコとか何なんだこの芸術的な弁当は!!


「…だから結構普通だって。むしろ初級…」


「うちのお袋はこんなの作りませんでした」


「まあ…お母さんはね。でも女の子にお弁当作ってもらったことくらいあるんでしょ?」


「高校の時なら…でも部活やってて腹の足しになれば良かったんであんま覚えてないっす」


“みなみは特別”を強調してみたつもりだったのに陽子さんは…


「うわ、サイテー。山下くんが騒がれる割りに今一つな訳がなんかいろいろ分かった気がする」


「………」



いいんだ、別に。
みなみへの想いはみなみだけが知っててくれれば。


陽子さんはとことん釣れないから気を取り直し、心を鬼にして弁当を一口。


「うっ!」


「今度は何!」


「美味い…ヤベーすげー美味いタコウインナー!!」


「ウインナーって…加工品じゃん」


「みなみがウインナーにタコの魂を吹き込んでくれたんですね」


「意味分かんないから」



……兎に角。
こんな美味い弁当は初めて食べた。


毎日こんなの食っていいんだろうか…


「結婚っていいですね…」


「してないでしょまだ」


もう陽子さんは失笑だ。


「でもするんです。プロポーズしたんです」


「えっ!マジで!?」


「マジです」


「…ご両親に挨拶とかしたの?」


「それはまだ…」


「山下くんの親には?」


「それもまだ…」


「なんだ、二人の間でだけね」


「…………」


「早く言いに行った方がいいかもよ~。ちなみにウチの妹は彼氏が夢見がちだから反対されてる」


「マジっすか」


「二年くらい経つかな」


「………」



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