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限界Lovers
第19章 二人の記念日


二年前の俺はみなみと…




ーーーーーみなみちゃんとどうやって関係を深めようか悩んでいた。




「………」



今日はみなみちゃんと待ち合わせ。
約束の10分前に待ち合わせ場所から少し離れた場所に俺は居た。


…5分前。
みなみちゃん到着。


でも俺はまだ出ていかない。
みなみちゃんはベンチに座りボーッと俺を待っている。


時折髪を気にするのは単にエチケットなのか俺のためか…


約束の時間ジャスト。
みなみちゃんに変わった様子はない。
相変わらずボーッと座っている。


5分過ぎ、
……変わった様子はない。


10分…
以下略。



「…………」



ソワソワするでもなければ時間を気にするでもない。
時間が過ぎてもイライラするわけでもない。


この子にとって俺って…


「はあ…」


さすがにこれ以上待たすのは可哀想だと腰を上げる。
そして何事もなかったかのようにみなみちゃんに声を掛けた。


「みなみちゃん!」


「あ、遥斗さん」


「!」



待ってるときはボーッとしてたのに、俺を見た途端みなみちゃんはすごく嬉しそうに笑う。


……参ったな、この笑顔。
こういう顔を見ると俺の事好きなのかなって思うんだけど……


今一つ自信が持てない。


「ごめんね遅くなって。待ったよね?」


「うーん、そんなでもないから平気」


「……そう?」



もしかしたらすっごくルーズな男に待たされるのが当たり前だったとか?


俺も俺でこんなにウジウジ悩んでないで今までみたいにガンガンいけばいいのに。


「昼飯どうする?」


「私ね、行ってみたいカフェがあるの」


「うん、じゃあそこに行こうか」


俺の返事にみなみちゃんが嬉しそうで俺までなんだか嬉しくなる。


……そう、この子と居ると毒気を抜かれるというか…確実に今まで周りに居なかったタイプで。


攻略法が手探りで…


嫌われてはない。
むしろ好意的だと思う。


でもどの好意なのかが分からない。


間違って攻めて砕けるのが怖い。
引かれるのも怖い。


「…………」


俺ってこんなに臆病だったっけ?









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