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限界Lovers
第19章 二人の記念日
「さっきの人友達?」


「専門のクラスメイトなの」


「ふーん…」


『友達』じゃなくて『クラスメイト』ね…
成る程、お互い名字呼びだし今のとこそれほど仲良くなさそうだ。


それからまた話は反れ、いつも通り他愛ない話をしながら飯を食って店を出た。


「遥斗さん、課題に必要なもの買いに行っていいかな?」


「どうぞ」


みなみちゃんの買い物に付き合いながらさっきの事を考えていると、だんだんと“今日しかない”という気持ちになってきた。


学校に行けばアイツはまた押してくるだろう。
みなみちゃんタイプの子はあれよあれよと巻き込まれるんだ。


そしてアイツに……


「…………」




やっぱり今日しかない。



でも…



みなみちゃんが男として俺を「好き」である確信がやはり持てないのだ。




「遥斗さん!ゲーセン行こうよ!」


「あ…うん…って待って!みなみちゃん!!」





例えば今みたいにゲーセンに居れば、8割方で俺のことが好きな女は一緒にプリクラを撮りたがる。


でも、みなみちゃんはと言えば…


「おりゃあああ!!!」


「…………」


只今ゾンビを撃ち殺すバトルゲームに夢中。


「遥斗さん、ここはみなみに任せてください!」


「はい…」


なんか妙に頼もしいし…


さっきはUFOキャッチャーでブーさんを取るのに真剣だったし。


…いや、楽しんでくれるのはいいんだ。
でもこう…この子からは恋愛に対する「色気」というものが感じられない。


「はあ…」


そこなんだよ…そこ。
俺ってただの友達なんだろうか……


今までモテない方じゃなかったからみなみちゃんの反応って結構自信なくす。



それからゲーセンを出て俺の服選びに付き合ってもらったり本屋に寄ったりして、ショッピングモールのベンチで休んでいると…


「遥斗?」


今度は俺が声を掛けられた。


「…うわっ!久しぶりだな!」



…それは高校時代の部活のマネージャー。
ちなみに出来心で一度だけ深い仲になったことがあるのは二人だけの秘密だったりする。



「彼女?」


「ハハっ、可愛いだろ。お前は一人?」


「うん、ちょっと買い物に。…ねえ今度サッカー部のみんなで集まろうよ」


「あー、いいね」


久しぶりの再会に花が咲く。






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