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限界Lovers
第19章 二人の記念日
「みなみ…」


それは分かる。
俺も同じだと思うから。


「俺はみなみのそういうとこが好き」


「私だって遥斗のそういうとこ好きだよ」


「俺、みなみの全部が好き」


「…100こ言ってくれるんじゃないの?」


「細かく言えば100こくらい言えるけど、とにかくみなみの全部が好きなの!」


意地の悪いみなみはクスクス笑った。
でもどこか満足そうな顔に俺も満たされた。



食事を終えるとみなみをブランドショップが並ぶ通りに連れてきた。


「珍しいねこんなとこ…買いたいものでもあるの?」


「そう、婚約指輪買いに」


「ええっ!?」


「俺こういう店分かんないからみなみの好きなとこ入って」


「だって…」


「ホラ、早く!」


トントンと背中を叩いて急かすとみなみは遠慮しながら歩き出した。


「本当に買ってくれるの?」


「失礼だな」


「そうじゃないけど…ファッションリングみたいなお値段じゃないよ?」


「知ってるし。本当に失礼だな」


こんなに気にされると俺って甲斐症がないんだろうかと結構凹む。


「みなみに指輪買ってやるくらいの予算は人生設計に組み込まれてるんだよ」


あえてみなみを見ずに言うとふいに腕が重くなる。


「ありがとう遥斗…」


そこにはみなみがくっついていて俺の頬は簡単に緩んだ。


そしていくつか店を周り、結局みなみが選んだのは俺でも名前くらいは知ってるブランドのシンプルなダイヤリング。


みなみの細い指に上品な指輪は美しくよく映えていた。


イニシャルを彫ってもらうため受け取りはまた後日ということで店を出る。


「遥斗、ありがとう」


「いや…物がないと実感もないからその言葉は指にはめたときベッドで言って」


「相変わらずセクハラ発言なんだから」


みなみは俺の腕にぴったりと絡み付いている。
余程嬉しかったのだろう。


嬉しそうなみなみと腕に当たる胸の柔らかさで俺まで嬉しい。


「ねえ、マリッジリングも同じブランドだと重ねづけした時合うんだって。だから結婚指輪もあそこで買いたい!」


「その辺はみなみの好きでいいよ」


「婚約指輪も嬉しいけど遥斗とお揃いの指輪ができるのも嬉しい!」


スキップでもし出しそうな勢いのみなみと夜の街を歩いて次の場所に向かう。



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