パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第20章 影の刺客

「若いのに結婚なんてさては出来ちゃったんでしょう？」


「いえいえ！してなかったってか…してないです妊娠は」


「じゃあどうしてその若さで結婚しようなんて思ったの？」


悪いけど遥斗が浮気もせずこんな子と一生添い遂げられると思わない。
大体こんなお嬢さんにアイツの操縦は無理だから無理！！


「彼とずっと一緒に居たいから…」


うわっ！乙女！！
しかも相手があの弟だと思うと寒イボも半端じゃないけど笑顔笑顔。


「なんか色々勿体ないって思っちゃうんだけど…」


「勿体ないですかね。彼と一緒じゃない人生の方が勿体ないって私は思うんです」


…そう？
そこまで想う価値ある？アイツ


モワモワと小さい頃からの遥斗が思い出されたけどどれもこれも最悪なものばかりで私だったらごめんだ。


「…一ノ瀬さんが彼の事好きなのはよーく分かったわ。ところで結婚は本格的に決まってるの？」


「本格的にと言いますと？」



「ホラ、結婚って二人でするもんじゃないじゃない？」


「ああ…挨拶なら早めに来てくれるって…」


「まだしてないの！？」


「…決まったのが最近なんで」


「カーーーッ！！！」


ダメ男！！本っ当ダメ男！！！


一ノ瀬さんの顔が私を怪しんでることにも気づかずに私の怒りボルテージはマックスだ。


「そういうのは即来て貰いなさい！そして相手の家にもあなたの顔くらい見せに行って！」


「は…はい…」


「大体ね、同棲する時に顔くらい見せてもらいたいわよね？近くにいるんだから！」


「………」


遥斗とこの子の適当さが腹立たしくなってきて「探り」じゃなくてすっかり「文句」になっていた。


「あの…」


「何？」


「アユミさんて何者なんですか？」



一ノ瀬さんに言われてハッとする。


…私としたことが怒りに任せてちょっと喋りすぎちゃったじゃない！


一ノ瀬さんは怪訝な顔で私を見ている。
さあ…どうする？


「…だだのネイリストですけど？」


「……だけじゃないですよね？」


「…………」


さすがにこれじゃ誤魔化せなかった。


まぁどっちにしろいずれバレるんだし…下手に誤魔化したって無駄だと開き直る。


「遥斗の姉です」


「えっ？遥斗のお姉さん！？」


一ノ瀬さんの目が真ん丸になった。