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限界Lovers
第21章 BBQパニック
キリッと答える高橋さんに頬が引きつった。
こんな重い燻製…いろんな意味で勇気が要る。
「俺、アウトドアが好きで一人キャンプとかよく行ってて…ダッチオーブンで料理したりとかこうやって燻製作ったりするのが趣味なんです!」
「へえ…」
「自然はいいですよ。特に冬場のキャンプなんか最高!」
「風邪引きませんか?」
「引きません!自然を感じながら自分と対話するんです…キャンプに行くと自分に何が必要かが良く分かる」
目をキラキラ輝かせる高橋さんに何故か引き込まれてしまった。
誰かの奥さんがトントン遥斗を叩いて私たちを指差しこの状況を知らせていても、遥斗が血相変えてこちらにやってきても私の頭には雄大な自然が広がっている。
「…あなたに会ってから…キャンプに行ったときここにあなたが居たらいいのになって…」
「え?」
「あの日からずっとみなみちゃんが好きです!!」
「………えっと」
周りがシーンとしてすっごい見られてると感じた。
そりゃそうだ、だって私…“遥斗の彼女”で来てるんだもん。
目の前には怖いくらい私を見つめる高橋さん。
私は真っ黒な玉子を見つめ、この劇場型の状況をどうしたらいいか分からない。
でも…恋ってうまくいかないよね、すっごく思う。
並木さんの気持ちとか嫉妬する私とか高橋さんのことだって…
世界が二人だけならこんなややこしいことにだってならないのに。
「いい加減にしろよ高橋」
遅い王子様は到着早々私の肩を抱いて庇うけど、さっきみたいに今は素直にトキメけない。
「みなみは俺の彼女で嫁になるんだよ!」
「だとしてもまだ嫁じゃない…俺にだってチャンスはある!」
「おまえの不屈の精神はすごいと思うけど周りのことも考えろよ!現にみなみは困ってるだろ」
遥斗の手は安心する。
けど並木さんは今、この状況をどんな風に見ているんだろうか。
「…ごめんなさい」
遥斗の手をそっと退けた。
「ごめんなさい」
高橋さんに頭を下げ遥斗に玉子を押し付けてその場から走り出した。
「みなみ!」
遥斗が呼ぶけど立ち止まれない。
ただその場から逃げたくて宛もなく走った。
こんな重い燻製…いろんな意味で勇気が要る。
「俺、アウトドアが好きで一人キャンプとかよく行ってて…ダッチオーブンで料理したりとかこうやって燻製作ったりするのが趣味なんです!」
「へえ…」
「自然はいいですよ。特に冬場のキャンプなんか最高!」
「風邪引きませんか?」
「引きません!自然を感じながら自分と対話するんです…キャンプに行くと自分に何が必要かが良く分かる」
目をキラキラ輝かせる高橋さんに何故か引き込まれてしまった。
誰かの奥さんがトントン遥斗を叩いて私たちを指差しこの状況を知らせていても、遥斗が血相変えてこちらにやってきても私の頭には雄大な自然が広がっている。
「…あなたに会ってから…キャンプに行ったときここにあなたが居たらいいのになって…」
「え?」
「あの日からずっとみなみちゃんが好きです!!」
「………えっと」
周りがシーンとしてすっごい見られてると感じた。
そりゃそうだ、だって私…“遥斗の彼女”で来てるんだもん。
目の前には怖いくらい私を見つめる高橋さん。
私は真っ黒な玉子を見つめ、この劇場型の状況をどうしたらいいか分からない。
でも…恋ってうまくいかないよね、すっごく思う。
並木さんの気持ちとか嫉妬する私とか高橋さんのことだって…
世界が二人だけならこんなややこしいことにだってならないのに。
「いい加減にしろよ高橋」
遅い王子様は到着早々私の肩を抱いて庇うけど、さっきみたいに今は素直にトキメけない。
「みなみは俺の彼女で嫁になるんだよ!」
「だとしてもまだ嫁じゃない…俺にだってチャンスはある!」
「おまえの不屈の精神はすごいと思うけど周りのことも考えろよ!現にみなみは困ってるだろ」
遥斗の手は安心する。
けど並木さんは今、この状況をどんな風に見ているんだろうか。
「…ごめんなさい」
遥斗の手をそっと退けた。
「ごめんなさい」
高橋さんに頭を下げ遥斗に玉子を押し付けてその場から走り出した。
「みなみ!」
遥斗が呼ぶけど立ち止まれない。
ただその場から逃げたくて宛もなく走った。