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限界Lovers
第22章 鈴木将太の憂鬱3
ーーーー時代の移り変わりは呆気ない。


重苦しく長い夜も、春の陽射しが差し込めば雪の如く溶けて消える。


まるで何もなかったように…


新しい季節は輝きに溢れ、深雪の後には新芽が芽生えるんだ。


僕の恋だってそれは同じで…


「ありがとうございました!」


……良い!
この声良い!!


「凄いね瑞希ちゃん物覚えがいいね 」


「きっと…教えてくれる人がいいんだと思います 」


ポッと頬を赤らめる瑞希ちゃん。


「そんな事…ハハッ!」


これって…


僕的にはかなり「イケる」んじゃないかって思うんだけど…


「鈴木さんは大学生なんですか?」


「そう」


「大学生だと出会いもいっぱいあるんだろうな」


そう言って瑞希ちゃんはシュンっと。


シュンっとするんだ!


「いやいや、僕工業大学だから男ばっかで!」


「そうなんですか?じゃあ鈴木さん彼女居ないんですか?」


「居ません居ません居ません!」


力一杯否定すると瑞希ちゃんはニッコリ笑う。


神様!これは自惚れてもいいですか!?


瑞希ちゃんも同じ気持ちだって…










それからまた数日して、僕がレンタルショップに行った時の事だった。


その日はバイトもなくちょっとムラムラしていたから、人生初のAVでも借りてやろうと意気込んでレンタルショップのドアをくぐる。


だって僕男だし、大人だし!
AVくらい女の子の店員さんでも関係なくバーン!って借りてやる!


……それから約30分。
一週間レンタル300円のために30分パッケージを吟味して「女子高生優夏のアブナイ誘惑
」と「はつこい~少女から大人へ~」というタイトル二本に決めた。


どちらも女子高生物。
そしてこの女優さんがちょっとだけ瑞希ちゃんに似てたから…


「一週間レンタルで!」


男らしくコソコソなんてしないでバーンと出したら



「一週間レンタルでよろしいですか?」


「!」


この声…


怖々顔を上げるとそこに居たのは…


「瑞希ちゃん…」


「鈴木さん!」


うわっ!凄く気まずい…


でも僕大人だから…堂々と振る舞わなきゃ!

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