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限界Lovers
第22章 鈴木将太の憂鬱3
ポタリと僕に零れるこの雫は……涙?
「帰ります」
「えっ!?」
「…お邪魔しました」
僕から降りた瑞希ちゃんは素早く荷物を持って部屋を出ていこうとする。
「ま、待って!」
咄嗟に瑞希ちゃんの腕を掴んだ。
細い腕だなって思った。
「ぼ、僕は瑞希ちゃんが言うように君の事好きだよ…でもさ、この展開はさすがに乱暴じゃないかな」
“もしもの事態”を期待してコンドームまで用意した男の言い種じゃないけれど…
「どうしてそんなに急ぐのさ。もっと話したり…もっとお互いを知ってからだって…」
「………」
「瑞希ちゃん、座って」
「嫌です」
「いいから座って」
今度は僕が瑞希ちゃんを引っ張って座らせた。
「離して! 」なんて言いながらも瑞希ちゃんは大人しく座る。
そして冷蔵庫の中から買っておいたケーキを出した。
「…誕生日なんだろう?おめでとう」
「!」
チャッカマンで18本の蝋燭に火をつけた。
「灯り…消した方がいいかな」
電気を消すとオレンジの火の向こうに薄暗く瑞希ちゃんが浮かぶ。
瑞希ちゃんは…瑞希ちゃんはポロポロ泣いていた。
「瑞希ちゃん…?」
「ごめんなさいさっき…私…」
「………」
僕は言葉が出なかった。
彼女の涙の意味が分からない。
「ウチ…両親の仲が悪くてお互い仕事を理由に家に寄り付かないんです」
「えっ…」
「私はいつも弟と二人で。でも中学生になった時、彼氏ができました」
「うん」
「中一の冬で…おこたに入ってたらいきなり押し倒されて…私処女じゃなくなったんです」
瑞希ちゃん…
「彼とは毎日ってくらいヤりました。私に拒否権はなかったから…でも彼氏だしって…そしたらね、教室で彼が話してたの。私はセフレだ…って」
「……酷いな」
「そんな時にひょんなことから父親が浮気してることを知って…ああ…男ってそんな生き物なんだって」
僕の頭には実家の父ちゃんが浮かんだ。
無口だけど僕の父ちゃんは母ちゃんの事が大好きな愛妻家だ。
僕はそんな両親を見て育ってきた。
それなのにこの子は…
「帰ります」
「えっ!?」
「…お邪魔しました」
僕から降りた瑞希ちゃんは素早く荷物を持って部屋を出ていこうとする。
「ま、待って!」
咄嗟に瑞希ちゃんの腕を掴んだ。
細い腕だなって思った。
「ぼ、僕は瑞希ちゃんが言うように君の事好きだよ…でもさ、この展開はさすがに乱暴じゃないかな」
“もしもの事態”を期待してコンドームまで用意した男の言い種じゃないけれど…
「どうしてそんなに急ぐのさ。もっと話したり…もっとお互いを知ってからだって…」
「………」
「瑞希ちゃん、座って」
「嫌です」
「いいから座って」
今度は僕が瑞希ちゃんを引っ張って座らせた。
「離して! 」なんて言いながらも瑞希ちゃんは大人しく座る。
そして冷蔵庫の中から買っておいたケーキを出した。
「…誕生日なんだろう?おめでとう」
「!」
チャッカマンで18本の蝋燭に火をつけた。
「灯り…消した方がいいかな」
電気を消すとオレンジの火の向こうに薄暗く瑞希ちゃんが浮かぶ。
瑞希ちゃんは…瑞希ちゃんはポロポロ泣いていた。
「瑞希ちゃん…?」
「ごめんなさいさっき…私…」
「………」
僕は言葉が出なかった。
彼女の涙の意味が分からない。
「ウチ…両親の仲が悪くてお互い仕事を理由に家に寄り付かないんです」
「えっ…」
「私はいつも弟と二人で。でも中学生になった時、彼氏ができました」
「うん」
「中一の冬で…おこたに入ってたらいきなり押し倒されて…私処女じゃなくなったんです」
瑞希ちゃん…
「彼とは毎日ってくらいヤりました。私に拒否権はなかったから…でも彼氏だしって…そしたらね、教室で彼が話してたの。私はセフレだ…って」
「……酷いな」
「そんな時にひょんなことから父親が浮気してることを知って…ああ…男ってそんな生き物なんだって」
僕の頭には実家の父ちゃんが浮かんだ。
無口だけど僕の父ちゃんは母ちゃんの事が大好きな愛妻家だ。
僕はそんな両親を見て育ってきた。
それなのにこの子は…