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限界Lovers
第24章 雲行き
日和は土曜だというのにスーツ姿だった。
「仕事?」
「ちょっとだけ休日出勤?」
「…つーかお前デパート勤めてなかった?」
日和がスーツを着て出勤していたイメージが俺にはなかった。
「あそこは辞めた」
「へぇ…」
「家庭のある同僚と付き合って奥さんにバレて慰謝料とか取られちゃってね、ホントもう最悪。なんか居ずらくなって辞めちゃった」
「自業自得だな」
ザマーミロだ。
見境ないからそんな事態になるんだ。
「ビッチが祟ったな」
「…酷い言われようだけど仕方ないね、その辺は…遥斗は?ちゃんと社会人してるの?」
「してる」
「そう…」
日和は安心したように目を細めた。
…正直、早くこの場を立ち去りたい。
なのに不思議と体が動かない。
「遥斗に会うのも四年ぶりか…なんか男らしくなったね」
「…どうも」
誉められてちょっと嬉しいとか昔と変わらない仕草が懐かしいとか、不覚にも思ってしまう自分に戸惑った。
日和との二年間はいいことなんてなかったと思ってた。
でもこうやって本人を前にすると楽しかった記憶も甦って…
ーー困るんだよ…
俺の中のみなみが悲しそうな顔をするから罪悪感で潰されそうになる。
「遥斗は今日休み?」
「そう、だからこの後彼女迎えに行くの」
先手必勝と言うには思い上がり過ぎだろうか。
でもこれは自分への牽制でもあった。
これ以上日和に踏み込まれないように、みなみ以外の女にどんな理由であれ乱されないように。
「彼女いるんだ?」
「いる」
「もう四年だもんね。…そっかそっか、日和日和言ってた遥斗にも彼女がね」
「あれからもう四年も経ってるからな。お陰様で今は彼女彼女言ってるよ」
「ふーん…ねぇ、彼女ってどんな子?」
「秘密」
「えーっ教えてよー」
冗談めかして日和がグリグリ頭を撫でる。
「やめろって」
「私のこと忘れられなくて似たタイプの子探したりしてない?」
「してない!むしろ真逆だから。…つーかその自信過剰さ相変わらずだな」
ムカつく…
いつまで俺が日和のこと好きだと思ってるんだよ!
もうすっかり忘れてたっつーの!!
「仕事?」
「ちょっとだけ休日出勤?」
「…つーかお前デパート勤めてなかった?」
日和がスーツを着て出勤していたイメージが俺にはなかった。
「あそこは辞めた」
「へぇ…」
「家庭のある同僚と付き合って奥さんにバレて慰謝料とか取られちゃってね、ホントもう最悪。なんか居ずらくなって辞めちゃった」
「自業自得だな」
ザマーミロだ。
見境ないからそんな事態になるんだ。
「ビッチが祟ったな」
「…酷い言われようだけど仕方ないね、その辺は…遥斗は?ちゃんと社会人してるの?」
「してる」
「そう…」
日和は安心したように目を細めた。
…正直、早くこの場を立ち去りたい。
なのに不思議と体が動かない。
「遥斗に会うのも四年ぶりか…なんか男らしくなったね」
「…どうも」
誉められてちょっと嬉しいとか昔と変わらない仕草が懐かしいとか、不覚にも思ってしまう自分に戸惑った。
日和との二年間はいいことなんてなかったと思ってた。
でもこうやって本人を前にすると楽しかった記憶も甦って…
ーー困るんだよ…
俺の中のみなみが悲しそうな顔をするから罪悪感で潰されそうになる。
「遥斗は今日休み?」
「そう、だからこの後彼女迎えに行くの」
先手必勝と言うには思い上がり過ぎだろうか。
でもこれは自分への牽制でもあった。
これ以上日和に踏み込まれないように、みなみ以外の女にどんな理由であれ乱されないように。
「彼女いるんだ?」
「いる」
「もう四年だもんね。…そっかそっか、日和日和言ってた遥斗にも彼女がね」
「あれからもう四年も経ってるからな。お陰様で今は彼女彼女言ってるよ」
「ふーん…ねぇ、彼女ってどんな子?」
「秘密」
「えーっ教えてよー」
冗談めかして日和がグリグリ頭を撫でる。
「やめろって」
「私のこと忘れられなくて似たタイプの子探したりしてない?」
「してない!むしろ真逆だから。…つーかその自信過剰さ相変わらずだな」
ムカつく…
いつまで俺が日和のこと好きだと思ってるんだよ!
もうすっかり忘れてたっつーの!!