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限界Lovers
第24章 雲行き
「不倫してたって言ったじゃない?」
駅への道すがら、日和がポツリと話し出す。
「ああ」
「そのカレが遥斗と別れた時の“好きな人”」
「へぇ…俺振ってまでそっち行った末が慰謝料ね」
嫌味の丈を込めた一言に日和は苦笑い。
「本当に。…あの頃は既婚者の落ち着きがカッコよく見えたんだよね。年下で学生の遥斗より」
「………」
過去の話とはいえ聞いてて余り気持ちいいものではない。
でも黙って話を聞いていた。
「私からアプローチして最初はあっちが遊びだったと思うんだ。私は彼と居られればそれで良かったし奥さんとか子供とか深く考えてなかったんだけど…気づけばだんだん彼は家に帰らなくなってた」
「へぇ…」
「一度寝たら奥さんは保守的だから私とのセックスが刺激的だったみたい」
「またそこに戻るのか…で、結局奥さんにバレたと?」
「そう、突然手紙が来るの弁護士から…それまでそんな素振りはないんだよ。容証明っていうの?でさ、彼の家に呼ばれて仕方なく行ったら弁護士と奥さんともう一人居て…いつ撮られたのか証拠もわんさかあって…冷静に責められた。彼は何も言わなかった。それで慰謝料200万取られた」
「馬鹿だな」
「うん、そこでやっと自分の馬鹿さに気づいたよ。親にも報告されてて泣かれた。何より奥さん鬱になっちゃったんだって。細っそい人でさ…彼が付き合う前奥さんはデブだなんて言ってたのにガリガリなのよ。…私がそうさせたんだね」
それは初めて聞く弱い声だった。
「何を今さら…俺は奥さんの気持ちすごく分かるけど」
「……ごめんね」
小さな声に聞き間違いかと思わず振り返る。
「ごめん…遥斗、私が何してもずっと好きでいてくれたのにね」
「今更だな。でもいいよ、お前と別れたから彼女と付き合えたんから」
日和に振り回されて目が覚めた部分もある。
だから別にもういい。…そんな風に思ったのに。
「……やり直す?」
「は?」
「もう浮気しないって言ったらやり直せる?」
何を言ってるんだこの女は…
俺にはみなみがいて結婚すると言ってるのに…
「無理。つーかやめてくんない?日和にいい印象はないけど軽蔑したくないんだけど」
「そう?…もう不倫はしたくないからチャンスは今かなって。私も結構本気なんだけど」
駅への道すがら、日和がポツリと話し出す。
「ああ」
「そのカレが遥斗と別れた時の“好きな人”」
「へぇ…俺振ってまでそっち行った末が慰謝料ね」
嫌味の丈を込めた一言に日和は苦笑い。
「本当に。…あの頃は既婚者の落ち着きがカッコよく見えたんだよね。年下で学生の遥斗より」
「………」
過去の話とはいえ聞いてて余り気持ちいいものではない。
でも黙って話を聞いていた。
「私からアプローチして最初はあっちが遊びだったと思うんだ。私は彼と居られればそれで良かったし奥さんとか子供とか深く考えてなかったんだけど…気づけばだんだん彼は家に帰らなくなってた」
「へぇ…」
「一度寝たら奥さんは保守的だから私とのセックスが刺激的だったみたい」
「またそこに戻るのか…で、結局奥さんにバレたと?」
「そう、突然手紙が来るの弁護士から…それまでそんな素振りはないんだよ。容証明っていうの?でさ、彼の家に呼ばれて仕方なく行ったら弁護士と奥さんともう一人居て…いつ撮られたのか証拠もわんさかあって…冷静に責められた。彼は何も言わなかった。それで慰謝料200万取られた」
「馬鹿だな」
「うん、そこでやっと自分の馬鹿さに気づいたよ。親にも報告されてて泣かれた。何より奥さん鬱になっちゃったんだって。細っそい人でさ…彼が付き合う前奥さんはデブだなんて言ってたのにガリガリなのよ。…私がそうさせたんだね」
それは初めて聞く弱い声だった。
「何を今さら…俺は奥さんの気持ちすごく分かるけど」
「……ごめんね」
小さな声に聞き間違いかと思わず振り返る。
「ごめん…遥斗、私が何してもずっと好きでいてくれたのにね」
「今更だな。でもいいよ、お前と別れたから彼女と付き合えたんから」
日和に振り回されて目が覚めた部分もある。
だから別にもういい。…そんな風に思ったのに。
「……やり直す?」
「は?」
「もう浮気しないって言ったらやり直せる?」
何を言ってるんだこの女は…
俺にはみなみがいて結婚すると言ってるのに…
「無理。つーかやめてくんない?日和にいい印象はないけど軽蔑したくないんだけど」
「そう?…もう不倫はしたくないからチャンスは今かなって。私も結構本気なんだけど」