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限界Lovers
第25章 展開
「遥斗くん、これが首里城で撮った写真なんだけどね。ツアーに留学生のジョンさんって人が来ててね、」


「バスの席が前後でお菓子あげたら仲良くなって一緒に回ったのよー。新婚さんみたいですねって言われちゃったのよね。ホラ、ジョンさんこの人よ」


アメリカ人だろうか…ジョンさん。
チェックのシャツが似合っている。


「へぇ…いいですね、俺たちもそうなりたいです」


みなみのお父さんとお母さんは俺のおべっかを嬉しそうに受け止めている。


それにしても…今日はお茶を飲みに来た訳じゃないんだ。
この家でソワソワ落ち着かないのは俺くらいで。


「あ、みなみたちご飯食べてくでしょ?」


「うん」


「遥斗くん嫌いなものはない?」


「大丈夫です」


「遥斗ね、きのこが嫌いだったんだけど食べられるようになったんだよ!凄くない!?」


「あら、それは凄いわ!よし、今日はきのこづくしね!」


「やめてください…」


俺をいじり楽しそうな三人…
みなみさえ今日の目的を忘れてる気がする。


この流れに乗っていたらこのまま夕飯をご馳走になって帰るなんて惨事に成りかねない。


もうこれ以上このペースになんか流されてられない。


山下遥斗、漢を見せます…!
膝の上で拳を握った。


「あの…話があるので聞いていただけますか」


緊張の余りデカイ声の俺にお母さんが足を止める。
お父さんも俺を見る。


「す、座ってくださいお母さん!」


「あ、ハイハイ」


「みなみも…隣に」


トテトテ歩いて俺の隣にみなみが座る。
向かいにはご両親…やっと場が整った。


大きく息を吸い膝に手をつき頭を下げた。


「突然ですがみなみさんを僕にください!!!」


「うん、いいよ」


「!」


お父さん即答…
かなりイメージと違って拍子抜けする。


「遥斗…」


目を潤ませ感激してるのはみなみだけだ。


「さて夕飯夕飯」


そそくさ立ち上がるお母さん…
こんな可愛いみなみをどこの馬の骨ともわからぬ男が貰いに来て…いいのか!?本当にそれでいいのか!?


開いた口が塞がらないとはまさにこの事。
それでも安心したのも事実で…
複雑な思いに頭を悩ませてたらお父さんが言った。


「私たちはいいけど息子が何て言うかな…ハハッ」


ーーーやっぱり兄さんなのか!!!

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