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限界Lovers
第25章 展開
「・・・開けて」


「いや・・・」


「開けて」


「・・・・・・」


静かなみなみの迫力に従い重い鍵を開ける。
すると間髪入れずにドアが開き日和が飛び込んで来た。


「遥斗ー!」


酒臭い日和は俺の首に抱きつく。
この流れ・・・酔って抱きつかれたら次は・・・

「会いたかった遥斗」

背伸びして唇を狙う日和を慌てて阻止した。

「ヤメロ!」

「どうして~?」

「どうしてじゃないだろ!?早く離れろよ。つーか何でウチ知ってんだよ」

「だってー・・・前見かけたんだもん」

「見かけたからって来るか?普通」

日和が普通じゃないのはよく分かってる。
背中に感じる冷たい視線を義理立てる為、真剣に自分から剥がした。

「・・・遥斗、誰?」

「えっと・・・」

「あれ?遥斗彼女と住んでるんじゃなかった?」

チラッとみなみを見て日和が訊ねる。
わざとだ・・・これは絶対わざと言ってるんだと背中を汗が伝った。

「・・・彼女だけど?」

「えーっ!妹かと思った。遥斗って大人っぽい子が好きだったから・・・」

目眩がした。
この女は何をしたいんだ・・・

「・・・で、何なのマジで」

用があるならさっさと済ませてもらおう。
浅はかな俺は単純にもそんなことを考えていたのだが・・・

「泊めて」

「は?」

「つーか一緒に住まわせて」

「何を言ってんだか・・・」

「いいじゃない。昔はウチに転がり込んできたんだから今度は私を住まわせてよ」

「彼氏はどうしたんだよ」

「・・・・・・別れるの」

「はぁ?」

「とにかく・・・よろしく」

俺とみなみをすり抜けてリビングに上がる日和。


「おい!日和!!」

呼び止める俺をみなみが引っ張って引き止めた。

「何なの?」

「……」

「随分親しそうだね。写真の元カノさんと」

誤魔化すつもりもないけれど、気づかれてたことに肩がズシンと重くなる。

「なんか久しぶりに会った感じがしないけど・・・女友達とは連絡取ってなかったんじゃないの?」


「いや・・・それは・・・」


「・・・嘘だったんだ」


「違っ・・・」


怒ったような悲しそうな目に言葉が詰まる。
背を向けみなみがリビングに入ると俺も後を追うとありえない光景が目に入って絶句した。




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