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限界Lovers
第26章 決戦は金曜日
それからしばらくして並木さんがやって来た。


「こんばんは」


「あー、来た来た。ほらみなみ、待ち人が来たわよ」


「ううっ・・・・」


頭を抱える私を見かねた鈴之介がお酒をくれて、酒に飲まれた私はその頃既にベロベロに酔っていた。


「・・・私酔っ払いの世話で呼ばれたんですか?」


「違うわよ~この子が涼子に会いたいって言うから・・・」


「とてもそんな風には見えないけど」


「ううっ・・・遥斗ー・・・遥斗ー・・・」


酔っぱらいの泣き上戸。
私の隣にため息をついた並木さんが渋々座った。


「遥斗・・・」


「・・・何であなたが私に会いたがるのか分かんないけど・・・山下くんの愚痴とかなら聞かないからね」


相変わらず手厳しい並木さん。


「愚痴なんて・・・」


「喧嘩の仲裁するような裏工作にも加担しないから期待するだけ無駄たけど」


「・・・並木さんに仲裁してもらったところで根本的な解決にはならないじゃないですか!馬鹿にしないで!!」


さっきの鈴之介といい皆して私を何だと思ってるんだろう。
やさぐれモードな酔っぱらいは物事が斜めに見えて仕方ない。


並木さんは意外そうな顔をして私を見た。
そしてカクテルを頼むとちょっとだけ私を見て素っ気なく話す。


「愚痴は聞かないけど何で泣いてるかくらいは聞いてあげてもいいけど」


落としてからの絶妙な優しさ、素直じゃない物言いがまた涙腺を緩ませる。


「つ、ツンデレ!」


「・・・・・・」


そして超冷たい目で私を見た。


「う、嘘です」


「あいにく冗談は苦手なの。・・・で、何があったの?」


並木さんのカクテルが出され、深く透明な水色が並木さんみたいだと思った。


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