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限界Lovers
第26章 決戦は金曜日
「・・・並木さんに何か聞いて欲しいとかで会いたかった訳じゃないんです」


「ふーん、なら聞かなくてもいい訳ね」


「ごめんなさい、聞いてください」


クールビューティーは何をしても絵になって、カクテルに口を付ける並木さんに見とれながら今日あった事を話した。





「・・・・・・という訳なんです」


「相変わらず呆れた人ね」


「何かもう訳分からなくて。元カノはいきなり大きな顔してるし」


「昔から女の趣味悪かったもの」



初めは強気だった気持ちも揺らぎ、不安が大きくなってくる。
一度は好きになった人だ。
遥斗の気持ちが日和さんに戻ってしまったら・・・


「でもそんなに心配しなくていいとは思うけど」


「無理ですよ」


「そう?」


並木さんは私の指輪に気づいて目を逸らす。


「・・・ところであなた今日はどうするの?」


「遥斗が迎えに来てくれるまで帰りません」


「実家?」


「・・・には帰れません。この間遥斗が挨拶に来てくれたのに・・・」


「ならママのとこ?」


「バレるわよ」


「ウチに来る?」


申し出てくれたのは玉美さんで、でも素直に頷くことは出来なかった。


「いらっしゃいよ、一緒にお話ししましょうよ」


「は、はぁ・・・」


どうしよう、困ったな・・・


いい人なのはわかるけど泊まるというのは敷居が高い。
純粋にいい人だけど思うけど、さすがに無邪気に着いていくには少し・・・



「・・・家に来れば?山下くんの話聞かせてあげる」


その時ふいに並木さんからのお誘いが掛かった。


「!、い・・・行きます!!」


「えーっズルイー!」


「遥斗くんの話聞けるならアタシだって行きたいわよ」


「親が驚くからママたちはダメ」


ズルイ!と二人はブーイングだけど、結局私は並木さんのお宅にお世話になる事になった。






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