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限界Lovers
第26章 決戦は金曜日
だとしたら私には「恋愛」としての魅力はなかったってこと?
・・・付き合う時そこまで考える?


『みなみ』


私を呼ぶ遥斗が浮かんだ。


出逢った時は大人だなって思ってた。
優しくて頼りになって・・・


でも付き合いが深まると色んな顔が見えてきた。


甘えん坊でエッチ、以外と適当なのに本当は努力家で真面目。
知れば知るほど私は遥斗を好きになった。


この二年、私が見て来た遥斗だって「遥斗」だ。
私を好きでいてくれたことに嘘はない。


遥斗が私に物足りなさを感じていたかどうかは分からないけど「私だけ」って言ってくれてた遥斗の想いはちゃんと感じてた。


「・・・・・・」


・・・そう思いたい。


「一ノ瀬さん家出先は実家?」


「はい」


「・・・うちに来る?」


「へっ!?」


アユミさんの家ということは・・・遥斗の実家ということだろうか。


「実家じゃ遥斗にすぐ見つかるしタカをくくられるわよ」


「別に隠れるのが目的では・・・」


「ダメダメ!そんなこと言ってるから浮気されるのよ!」


もうアユミさんの中では浮気されてることになってるみたいでムッとした。


「ここはガツンと心配させてギャフンと言わせてやりなさいよ!」


「でも・・・」


「決まり!そうと決まれば・・・ちょっと待ってね」


アユミさんはスマホを取り出しどこかに電話を掛ける。


「もしもしお母さん?」


・・・お母さん!?


「あのね今みなみちゃんと一緒にいるんだけど・・・うん、そう仲良くなっちゃって」


嘘つき!
パクパクと声にならない文句を言うとアユミさんに睨まれ大人しく黙る。


「でね、遥斗の病気が再発して・・・違うわよ。女よ女!みなみちゃん耐えきれなくて家出てきたみたい・・・そう、偶然会って」


どんどん大きくなる話に目眩がする。
アユミさんは妄想主体の私の身の上をベラベラとお母さんに報告し・・・


「・・・という訳でお許しが出たわよ。良かったわね」


ドヤ顔だ。



「か、勝手に!」


「あらーいいじゃない、大好きな遥斗の実家よ?文句もないでしょ?」


「・・・ジャイアン!」


「は?」


「何でもないデス・・・」



凄まれてすぐ引っ込むとか我ながら弱いよ私!



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