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限界Lovers
第26章 決戦は金曜日
――――その頃、プツリと電話を切られた俺は・・・



「・・・嫌われた?」


放心状態。


オフィスのカフェスペースでがっくりと肩を落としていた。


昨日の状況を考えたらみなみが怒るのも無理ない。
無理ないだけに・・・


「・・・昨夜どこに泊まったんだよ」


昨夜・・・みなみが飛び出した後は散々だった。
日和に理由を聞いてもまともな返事なんて返って来なくて、挙句俺は襲われかけた。


どうにか寝室に逃げ込み鍵を掛け、身だけは守った。


「みなみ・・・ヤバイ・・・みなみ不足・・・」


出ていかれた事はかなりのダメージだった。
いつものベッドにみなみが居ない・・・
ただそれだけの事がこんなにも堪える。


もしこのままみなみの気持ちが俺から離れたら・・・


「!」


考えただけで恐ろしい・・・



「あんなラーメン屋行くんじゃなかったクッソ!」


ガシガシ頭を掻いて抱える。
日和に会わなければ・・・


いや、本当は日和に足元を見られている俺が不甲斐ないんだ。
押し切られてる俺が情けなくてみなみだって・・・


「はぁ・・・」


項垂れる俺の前に誰かが立つ。
顔を上げるとそれは並木さんで・・・


「はい」


コーヒーを差し出している。



「・・・サンキュ」



俺が受け取ると並木さんは隣に腰を下ろした。



「みんな悩んでるみたいね」


「みんな?」


「みなみちゃん・・・」


並木さんの口から出た名前に平常心が飛んだ。


「どうして・・・どうして並木さんがみなみの事・・・」


気づけば空いた手で肩をガッチリ掴んでいた。
並木さんはそんな俺に圧倒される。


「痛い・・・山下くん」


「何でみなみの名前が出るんだよ!」


「痛い・・・」


並木さんの眉が歪みそこでやっと我に返る。


「ごめん・・・」


離した肩を並木さんが手で押さえ視線を逸らした。



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