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限界Lovers
第27章 鈴木将太の憂鬱4
「鈴木はそれが優しさだとか思ってるワケ?」


「優しさっていうか・・・」


「そんなの偽善だよ偽善」


「!」


「高校生にもなれば物事の良し悪しもつく、理由はどうであれそういう道を選んだならそういう目も込みで自分の尻拭いしてくしかねーんだよ」


「・・・・・・」


「下手に同情して“やっぱ手に負えませんでした”が一番酷なんだからな。そういうメンヘラ気質の子に情をかけるなら骨の髄までしゃぶり尽くされる覚悟で挑むんだな」


「そんな・・・」


遥斗さんの言いたい事は分からなくもないけどそんな血も涙もない人間に僕はなれない。


切っ掛けさえあれば瑞希ちゃんだって本来の姿に戻れるんじゃないかと僕は思う。


そう、言ってみれば今の彼女は悪い魔法をかけられた仮の姿で「愛」によって本来の瑞希ちゃんに帰れるはず。


「・・・なんか夢見がちな事考えてるみたいだけどお前が思うみたいに事が進めば世の中こんなじゃないから」


「・・・・・・」


「お前も成人なんだから現実を見ろよ」


遥斗さんはどこまでも非情だ。


「少なくとも俺は大事な人を幸せにすると同時に自分も幸せになりたい」


「遥斗さんは幸せじゃないですか」


「幸せだよ・・・みなみがいるから」


ウットリした顔で遥斗さんは言うけれど・・・


・・・みなみちゃん以外の人を家に上げといてよく言うよ。
遥斗さんも迷走してますよね?





「ん・・・」


その時、お姉さんが目を覚ました。


「・・・水」


「鈴木、水」


「は、はいっ!」


何故僕が・・・
胸の中では悪態をついても体はいそいそとキッチンに向う。


「あの・・・お水です」


そして蛇口から出した水をお姉さんに手渡すと・・・


「・・・・・・」


「あの・・・」


「誰?」


寝起きの細い目でお姉さんが僕を見た。


「あー、そいつは弟」


「!?」


「弟?遥斗弟なんか居た?」


「居たんだよ。ウチちょっと複雑で・・・あの頃は居ないことになってたんだそいつ」


おいっ!!勝手に話作らないでくれよ!!
遥斗さんを見ると「話を会わせろ」オーラがすざましい。


「ふーん、苦労してんだ」


お姉さんは水を一口口に含み・・・


「マズっ!水道水じゃない!」


早速僕は怒られた。





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