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限界Lovers
第28章 Difficult problem
でもそれだけの余裕が私にはなかった。


とりあえず私は遥斗の部屋を借りる事になった。
この間入ったばかりの、でも懐かしい遥斗の部屋。


「お布団はもう少し干したら入れるからね」


「まだ寝ないから平気です」


「何か足らないものや困った事があったら言ってね」


「はい」


お義母さんは凄く気を使ってくれて、それはありがたくも思いながら少し放っておいて欲しい。


・・・なんて言えないけど。



結局ドアが閉まる瞬間まで笑顔を崩せない私。
やっと静かになった部屋の中でゆっくり表情を戻した。


・・・昨日からの目まぐるしさを思い返すとため息が出る。
でも一人になると余計なことまで考えてしまいそうになる。


だから仕事の事とか他の事をできるだけ沢山考えた。
わざと遥斗を避けて色んなことを考えていたらなんだか疲れてその後はただボーッとして過ごした。
お義母さんがお昼の心配をしてくれたけど何か食べる気も起きなかった。




しばらくすると玄関から賑やかな声が聞こえアユミさんが部屋に入って来た。


「ヤダ廃人みたい!」


「・・・廃人ですよ」


アユミさんの手にはレジ袋があり沢山のお酒が入っている。


「一ノ瀬さんがお昼も食べないってお母さんが心配してるの。食べないなら飲もう?」


「どんな理屈ですか・・・」


「兎に角、男を忘れるには酒よ酒!」


グイグイ腕を引かれて再びリビングに。
テーブルには沢山の料理が並んでいて呆気に取られる。


「理由はどうあれウチで一ノ瀬さんが暮らすことになったんだから歓迎会!」

「ど・・・どうも」


正直、余りおめでたい事ではないように思うのだけど・・・


あれよあれよと座らされ、あれよあれよと乾杯して私の歓迎会が始まった。


「一ノ瀬さん何飲む?お母さんは日本酒でいいの?」


アユミさんはテキパキして凄く気配りが上手い。
上手に私を乗せ上手に飲ませ・・・
弱い私なんて今日もまたベロンベロンだ。


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