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限界Lovers
第28章 Difficult problem
「・・・休みですか」
仕事が終わってみなみのバイト先に行ってみるとみなみは休みだと言う。
「なんか体調崩したみたいよ」
「えっ?」
「…っていうか一緒に住んでるんじゃないの?」
「あー…そうなんですけど…今ちょっと」
口ごもり、誤魔化すようにお礼だけ言って店を出た。
姉貴がその一部始終を見ていて店の子にあることないこと言ってたなんて全く知らずに…
その足でみなみの実家に向かった。
今日、何度か電話をしたけど相変わらず着信拒否されたままで俺はかなり焦っていた。
みなみの両親にどやされる覚悟も決めてインターホンに指を伸ばすと…
「あら、遥斗くん?」
「お義母さん…」
一気に緊張した。
それなのにお義母さんはのほほんとしている。
みなみは理由を話していないんだろうか…
「どうしたの?何か用?」
「あの…みなみ…」
「みなみ?」
何の事?とでも言いたげに目をパチクリしているお義母さんに疑問が湧く。
まさか…
俺はみなみが実家に居ると疑わなかった。
でももしここに居ないとしたら…
「あの、みなみがこの間実家に手帳を忘れたからって…お義母さんに連絡してあるから取ってきてくれって頼まれて…」
「えっ?連絡なんてあったっけ?」
やっぱり…
一気に違う不安に襲われた。
「あ…なければいいんです。みなみも寝ぼけてたから」
「やだーもう!困った娘でごめんなさいね」
頭を下げてお義母さんに背を向けると早足で歩き出した。
みなみが実家以外で行く場所…
友達のところ?
バイト仲間のところ?
その反面で悪い想像がどうしても浮かんでしまう。
もう一度電話をしたけどやっぱり拒否されたままだ。
「みなみ…どこ行ったんだよ…」
冬の夜が心細さに拍車を掛ける。
宛もないのにじっとしてる事もできなくて…夜の街を探し回った。