この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
限界Lovers
第28章 Difficult problem
インターホンが鳴り、待ちわびた客を知らせる。
その瞬間ビクッと日和が強ばったのを見逃さず、ドアを開けに玄関に向かった。
「はい」
ドアを開けると生真面目そうな男が立っていた。
一瞬驚いたのは言うまでもない。
俺と付き合っていた時の浮気相手はどれもチャラい男だったから・・・
イメージの公務員を絵に書いたような男は細くて背が高い。
「伊藤と申します」
丁寧にお辞儀をしての玄関の奥を眼鏡越しの目で見る。
「・・・中に居ますから」
孝太郎を上げリビングに入ると不安そうな日和が居た。
「・・・これはどういうことなんだ?」
日和は口をつぐみじっと黙り込んでいる。
孝太郎はぐるりと部屋を見渡し何かを考え、日和に目線を合わせるよう座り込んだ。
「日和」
「・・・別れたいの」
ポツリと呟く日和に焦る。
「そうじゃないだろ!?ちゃんと話せよ」
「貴方は・・・日和とどんなご関係なんですか?見たところ女性と暮らしているように見えますが」
みなみの趣味でできている部屋は確かに女性を感じさせる。
そしてそれらが日和のものでないことは明確だろう。
「友人です、大学時代の」
「・・・そうなんですか。でもどうして日和が貴方の部屋に?」
「それは俺が聞きたいですよ」
日和は表情一つ変えない。
じっと床を見ているだけだ。
「突然居なくなって心配したんだぞ?何か俺に不満があったのか?」
「・・・・・・」
黙ったまま僅かに首だけ振って日和は口を結ぶ。
孝太郎は本当に穏やかな男のようで諭すように問いかけるばかりで。
そのやり取りに我慢できなくなったのは他のだれでもない、俺だ。
「日和、ちゃんと理由があるんだろ?」
「・・・・・・」
だんまりを決め込む日和に畳み掛ける。
「言えないなら俺が代わりに話してやろうか?日和が家出した理由は・・・」
「やめて!」
そこで初めて日和は顔を上げた。
「人に言われるくらいなら自分で話すから」
それならと俺は引く。
日和は孝太郎を真っ直ぐ見るものの何度も躊躇い先に進まない。
「ゆっくりでいいから・・・」
孝太郎が日和の手を握った。
それからまたしばらく時間が流れた。
そして意を決したように日和は口を開く。
その瞬間ビクッと日和が強ばったのを見逃さず、ドアを開けに玄関に向かった。
「はい」
ドアを開けると生真面目そうな男が立っていた。
一瞬驚いたのは言うまでもない。
俺と付き合っていた時の浮気相手はどれもチャラい男だったから・・・
イメージの公務員を絵に書いたような男は細くて背が高い。
「伊藤と申します」
丁寧にお辞儀をしての玄関の奥を眼鏡越しの目で見る。
「・・・中に居ますから」
孝太郎を上げリビングに入ると不安そうな日和が居た。
「・・・これはどういうことなんだ?」
日和は口をつぐみじっと黙り込んでいる。
孝太郎はぐるりと部屋を見渡し何かを考え、日和に目線を合わせるよう座り込んだ。
「日和」
「・・・別れたいの」
ポツリと呟く日和に焦る。
「そうじゃないだろ!?ちゃんと話せよ」
「貴方は・・・日和とどんなご関係なんですか?見たところ女性と暮らしているように見えますが」
みなみの趣味でできている部屋は確かに女性を感じさせる。
そしてそれらが日和のものでないことは明確だろう。
「友人です、大学時代の」
「・・・そうなんですか。でもどうして日和が貴方の部屋に?」
「それは俺が聞きたいですよ」
日和は表情一つ変えない。
じっと床を見ているだけだ。
「突然居なくなって心配したんだぞ?何か俺に不満があったのか?」
「・・・・・・」
黙ったまま僅かに首だけ振って日和は口を結ぶ。
孝太郎は本当に穏やかな男のようで諭すように問いかけるばかりで。
そのやり取りに我慢できなくなったのは他のだれでもない、俺だ。
「日和、ちゃんと理由があるんだろ?」
「・・・・・・」
だんまりを決め込む日和に畳み掛ける。
「言えないなら俺が代わりに話してやろうか?日和が家出した理由は・・・」
「やめて!」
そこで初めて日和は顔を上げた。
「人に言われるくらいなら自分で話すから」
それならと俺は引く。
日和は孝太郎を真っ直ぐ見るものの何度も躊躇い先に進まない。
「ゆっくりでいいから・・・」
孝太郎が日和の手を握った。
それからまたしばらく時間が流れた。
そして意を決したように日和は口を開く。