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限界Lovers
第28章 Difficult problem
その頃、私はと言えば・・・
「うわっ!凄い!!」
オーブンを開けるとフワッとパンのいい匂いが広がって、お義母さんが取り出した鉄板にはお行儀のいい丸いパンと私の作ったブーさんパン。
「みなみちゃんのブーさん可愛くできたわね」
「はい!これは明日のお昼ご飯にします。あ、遥斗にも・・・」
と言い掛けて今の状況を思い出す。
「大丈夫よ、すぐに迎えに来るから」
突然しょげた私の肩をお義母さんは励ますようにポンポン叩いた。
「でもよく考えれば私がここに居るなんて遥斗は知らないし・・・今あの二人がどうなってるかだって・・・」
「大丈夫」
その励ましはいつも力強いけど根拠がない。
嬉しい反面で不安が拭えない私にお義母さんは言った。
「遥斗はね、昔から適当なとこは確かにあったけど好きなものには実直だったの。みなみちゃんは遥斗の大事なんだから・・・あの子は馬鹿な事はしない」
「・・・・・・・・・」
「ほらほら、そんな顔しないの。遥斗があんな顔するのはみなみちゃんの前だけなんだから自信持って!」
その言葉が胸に染みて泣きそうになった。
でも泣かない・・・そう決めたから絶対に泣かない。
ブーさんパンは二つ。
一つは私のでもう一つは遥斗のものなんだと思う。
別に意識して作ったわけじゃないけど私が作るものは何でも二つになっていて・・・いつの間にか遥斗の分が当たり前になってた事に気付かされた。
「ただいまー!・・・あら、今日はパン作ったの?」
アユミさんが帰宅してパンを見つけた。
「へー、この豚は一ノ瀬さんが作ったの?」
「豚じゃなくてブーさん・・・」
「どう見ても豚じゃな~い」
そしてゲラゲラ笑って・・・本当に性格悪いんだから。
「ねえ、この豚一つ貰ってもいい?」
「豚じゃなくていいならどうぞ」
「大丈夫、立派な豚さんだから」
アユミさんはブーさんパンをジップロックにしまった。
「そういえば新店はどう?」
「忙しいです。オープニングスタッフばっかりだからまだわちゃわちゃしてて・・・」
「ふーん、いつまで行くの?」
「クリスマスが落ち着くまでって聞いてます」
「そっか・・・あと二週間弱?長い長い」
カラカラ笑いながらお義母さんの作ったパンをアユミさんは手に取る。
「うわっ!凄い!!」
オーブンを開けるとフワッとパンのいい匂いが広がって、お義母さんが取り出した鉄板にはお行儀のいい丸いパンと私の作ったブーさんパン。
「みなみちゃんのブーさん可愛くできたわね」
「はい!これは明日のお昼ご飯にします。あ、遥斗にも・・・」
と言い掛けて今の状況を思い出す。
「大丈夫よ、すぐに迎えに来るから」
突然しょげた私の肩をお義母さんは励ますようにポンポン叩いた。
「でもよく考えれば私がここに居るなんて遥斗は知らないし・・・今あの二人がどうなってるかだって・・・」
「大丈夫」
その励ましはいつも力強いけど根拠がない。
嬉しい反面で不安が拭えない私にお義母さんは言った。
「遥斗はね、昔から適当なとこは確かにあったけど好きなものには実直だったの。みなみちゃんは遥斗の大事なんだから・・・あの子は馬鹿な事はしない」
「・・・・・・・・・」
「ほらほら、そんな顔しないの。遥斗があんな顔するのはみなみちゃんの前だけなんだから自信持って!」
その言葉が胸に染みて泣きそうになった。
でも泣かない・・・そう決めたから絶対に泣かない。
ブーさんパンは二つ。
一つは私のでもう一つは遥斗のものなんだと思う。
別に意識して作ったわけじゃないけど私が作るものは何でも二つになっていて・・・いつの間にか遥斗の分が当たり前になってた事に気付かされた。
「ただいまー!・・・あら、今日はパン作ったの?」
アユミさんが帰宅してパンを見つけた。
「へー、この豚は一ノ瀬さんが作ったの?」
「豚じゃなくてブーさん・・・」
「どう見ても豚じゃな~い」
そしてゲラゲラ笑って・・・本当に性格悪いんだから。
「ねえ、この豚一つ貰ってもいい?」
「豚じゃなくていいならどうぞ」
「大丈夫、立派な豚さんだから」
アユミさんはブーさんパンをジップロックにしまった。
「そういえば新店はどう?」
「忙しいです。オープニングスタッフばっかりだからまだわちゃわちゃしてて・・・」
「ふーん、いつまで行くの?」
「クリスマスが落ち着くまでって聞いてます」
「そっか・・・あと二週間弱?長い長い」
カラカラ笑いながらお義母さんの作ったパンをアユミさんは手に取る。