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限界Lovers
第28章 Difficult problem
「元気ないわね」


ここに来てから一応アユミさんはアユミさんなりに私を気にしてくれているようだ。


「そう・・・ですかね?」


「また遥斗のこと考えてたんでしょ」


最近、遥斗から連絡もない。
勢い良く跳ね除けた癖にいざ連絡がないと不安だなんて情けない。


暗い私に対してアユミさんは能天気すぎるほど能天気で。


「大丈夫大丈夫」


「・・・どうして言い切れるんですか?」


「だって・・・・・」


・・・と何か言い掛けて・・・


「そんな気がするだけだけど」


とパンを口に入れた。


「・・・感ってあんまあてになんないですよ」


「一ノ瀬さんと私は違うの」


「む、私だってそんなに鈍感な方では・・・」


「へえ・・・」


「ほ、本当に!」


「そりゃ良かった」


アユミさんは私の話なんて聞き流してモシャモシャとパンを食べながらリビングを出て行った。



「あゆちゃーん!お夕飯は?」


「食べる!用意してー!」


帰りの遅かったアユミさんの夕飯を温め直すお義母さんを手伝って・・・何だかんだ山下家にも馴染んでる気がする。


遥斗の家に来てから毎日、料理好きなお義母さんの手伝いをしながら色々教えて貰ったりアユミさんの実験台になったり悩み事を除けばそれなりに楽しく過ごしていたりもする。


女だらけの生活というのも賑やかで新鮮で・・・
でもその賑やかさの隙間でふと遥斗を想うと恋しくなって仕方なかった。




「・・・まぁ、最悪正月になれば嫌でも帰ってくるから心配しないで」


ご飯を食べるアユミさんとお茶を飲むお義母さんと私。


「お正月・・・それまであの人と二人だったらどうしよう。やけ焼け木杭に火がついちゃったりして・・・」


「だーかーらー」


「もしかしたら今頃あの人と・・・・」


「もう縁起悪そうな事言わないで!」


「あ、お母さんいい事考えたわよ。遥斗が帰らないなら遥斗抜きで結婚の準備始めちゃいましょうよ」


「そうね、一ノ瀬さんが居れば向こうのご両親とも連絡はつくもんね」


二人はキャッキャとはしゃいでいるけど・・・


「私は遥斗が居なきゃ嫌です・・・」



遥斗が居なきゃそんな話、どんなに進めたって意味がない。









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