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限界Lovers
第28章 Difficult problem
「無駄話してたら怒られちゃう」と今更羽田さんは慌てて仕事に戻り・・・私も他店に行くためにもう一人のスタッフに任せて慌てて店を出る。


仕事・・・もあるけど私にはやらなきゃいけないことがある。
私より一足先に店を出てうなだれ歩く遥斗を追いかけた。


「はーるとっ!」


「!」


凄い勢いで遥斗は振り向き私と分かると・・・


「なんだよ」


あからさまに嫌な顔。


「偶然ね。元気だった?」


「別に・・・」


「これから遥斗に電話しようと思ってたの」


「何で」


「んー・・・んふふ」


「キモい・・・」


不機嫌な弟をそのまま近くの公園に誘った。
遥斗は面倒臭そうに着いてきて、私に言われるままベンチに座る。






「・・・で?何の用?」


「今日はね、遥斗に・・・じゃーん!」


そして取り出したのは夕べ一ノ瀬さんが作ったパン。


「は?」


「ホラ、食べて食べて」


袋ごと遥斗に渡すと怪しげに豚のパンをじっと見て・・・


「お袋の?珍しいなこんな形」


「そう?」


「いつも普通のしか作らないだろ?何だこれ・・・不細工だな」


しげしげと豚パンを眺めてフッと笑った。



「何の形に見える?」


「・・・・・・・・・豚?」


「ふーん」


「何の形なんだよ」


「遥斗が豚って言うなら豚じゃない?」



弟はゴソゴソパンを取り出し一口噛じる。



「どう?」


「美味いよ、普通に」


「何か味違うとか思わない?」


「別にいつも通り・・・まさかお前変なモン入れてないだろうな!?」


「失礼ね!普通ならいいのよ別にね」


パンを食べる遥斗を見ながら任務完了。
可愛い彼女が作ったとも知らずこの男は・・・
遥斗の「愛」ってそんなモンなのね。


「・・・そういえばこの間一ノ瀬さんに会ったの」


「いつ!?」


「一ノ瀬さん」に反応した遥斗が肩を掴んで真剣な顔になる。


「いつ!?」


「・・・昨日?」


「どこで!?」


「え、駅前?」


「何か・・・何か言ってなかったか!?何処に行くとか何処に居るとか・・・」



初めて見る弟の顔に不覚にも圧倒されてしまった。












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