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限界Lovers
第4章 隣人
「おはようございます」


「お…おはようございます」


恥ずかしさから玄関前で僕は口ごもる。


朝、家を出る時あの子と一緒になった。
+彼氏?旦那?
指輪をしてないから彼氏なんじゃないかと僕は思う。


これには願望も含まれているんだけど…



あの子…本当は(聞こえてくるから)名前も知っている。
「みなみちゃん」は可愛らしい笑顔を惜し気もなく僕なんかにも向けてくれる。


みなみちゃんが通り過ぎると甘くていい匂いがそこに残る。


そして残り香に心酔する僕に隣の男が…


「………ます」


ボソボソっと無愛想にみなみちゃんの匂いを掻き消すよう通り過ぎる。



「……っす」



僕も挨拶だけは返す。



台無し。
もうホント台無し。



スーツの後ろ姿を見ながらあの腕が毎晩みなみちゃんを抱いているのかと思ったら悔しかった。



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