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限界Lovers
第30章 ラスボス登場
一瞬、最悪な事態が脳裏を過ぎり慌てて消した。


「・・・・・・まさかお前が?」


「・・・・・・・・・」


そんなはずはないそんなはずはないそんなはずはない・・・



すると後ろからヒョッコリみなみが顔を出す。



「お兄ちゃん!?」





――――そんなはず・・・あった・・・



一瞬で体が灰になってサラサラ風に吹き崩れる。


・・・マジか・・・マジでか・・・


それは想定してなかった・・・



白く枯れた俺に気付かずみなみが駆け寄る。


「どうしたの突然・・・」


「お前の体調が悪そうだったから・・・みなみ、この男がお前の結婚する男か?」


抑揚なくゴリラーマンは訊ねた。


「そうだよ、こちらが彼の山下遥斗さん。遥斗、うちの・・・」


ボコッ!!!!


突然の激痛に何があったか分からなかった。


「遥斗!!」


吹き飛ばされ尻もちをついて、みなみの叫び声に殴られたと理解する。


「何するのお兄ちゃん!!」


「その男だけはダメだ」


「どうして!?」


「理由は・・・とにかくダメだ。人の知らない間に同棲まで始めたって言うじゃないか・・その男に騙されたのか?」


「違う!二人で決めたの!私もう子供じゃない・・・!」


「子供かどうかなんて関係ない!帰るぞ」


ゴリラーマンがみなみの腕を掴んだ。


「嫌だ!理由も分からないのに・・・」


突然の事態に泣きそうになりパニくるみなみ。


「遥斗!遥斗ーっ!!」


「みなみ大人しくしろ」


「嫌だ!人を殴るなんて最低!!お兄ちゃんなんて大嫌い!!」


「理由はその男に聞け!痛いほど分かってるだろうからな」


「なら離して・・・よっ!!!馬鹿ーっ!!」


ガンガンとゴリラーマンを叩き、踏みつけ抵抗するみなみ。


「みなみ、落ち着くんだみなみ」


さすがにみなみには力任せができないのだろう。
これにはゴリラーマンもタジタジだ。


「落ち着けるはずないでしょ!?帰って!早く帰って!!」


「みなみ」


「絶縁するから・・・」


「!!」


「お兄ちゃんとなんて絶縁するから!!」


涙目のみなみがゴリラーマンをギッと睨む。



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