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限界Lovers
第30章 ラスボス登場
その瞬間ゴリラーマンの手が緩む。
その隙をついてみなみが逃げ出し俺を抱き抱えた。


「大丈夫遥斗?血が出てる・・・ごめんね、ごめんね・・・」


尻もちをついたままの俺はみなみの胸に抱きしめられ・・・正直情けない気持ちで一杯だった。


「みなみ・・・」


「帰って!もう来ないで!!」


みなみの声は怒りで震えていた。
ゴリラーマンは黙って俺たちを見ている。


ここは俺が・・・みなみの為にシッカリしなくちゃいけないんじゃないか?


ゴリラーマンがみなみの兄さんだというのなら・・・




「・・・みなみ、とりあえず上がって貰おう」


「いいよ!」


「いや・・・ダメだろ。みなみを心配してわざわざ来てくれたんだろ?」


ボロボロ涙をこぼすみなみを落ち着けるよう今度は俺が抱きしめた。
そして立ち上がってゴリラーマンに向き合った。



「・・・お久しぶりです一ノ瀬さん。みなみさんとお付き合いさせていただいています山下です。ご挨拶が遅れましたが・・・」



頭を下げるがゴリラーマンは無反応で・・・


それから家に上がって貰いゴリラーマンはソファに、俺は床に。
救急箱を持ったみなみがやってきて俺の傷を消毒し始める。


「大丈夫だよみなみ」


「ダメだよ!ちゃんと消毒しないと・・・」


消毒液がしみて顔が歪む。


「痛い?痛かったら痛いって言ってね」


「いや、平気・・・」


俺たちのやり取りをゴリラーマンがじっと見ていた。
そして何気なく視線を下げ・・・


「・・・・・・・・・」


救急箱に手を伸ばす。




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