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限界Lovers
第30章 ラスボス登場
実家に行って兄を誘うと兄は嬉しそうに顔を綻ばせた。


「みなみが飲める年になったなんてな」


「そうだよ。私ももう大人なんだよ」


「大人になったらなったで心配は心配だ」


兄と夜の街を歩き案内する。


「で?みなみが連れてってくれる店ってのは・・・」


「ここだよ!」


路地裏の奥の古びた細いビルの一角。
兄は看板を見て眉間を寄せた。


「カルテット☆ナイト・・・?」


「そうそう、みなみも一度しか来たことないんだけどね、中の人とは仲良しなんだ」


・・・さすがにキャバクラには連れて行けない。
お義姉さんの手前もあるし・・・
だから兄にはここで我慢してもらおうと思う。


「こんばんはー」


ソロりとドアを開けると玉美さんがにこやかに出てきてくれた。


「あらーみなみちゃんいらっしゃい!」


そして兄を見てまた私を見る。


「今日はお連れさんが違うの?」


「遥斗くんに振られたんでしょー。新しい彼氏?」


奥から嬉しそうに口を挟むのは鈴之介。


「振られてない!それに彼氏じゃなくてお兄ちゃん!」


玉美さんと鈴之介がピタリと止まる。


「嘘ー!アンタのお兄ちゃん?義理?義理なんでしょ!?」


「違います!実の兄です」


鈴之介が入口までやって来てペタペタ兄の体を触った。


「いい体・・・」


「なっ!」


「これで顔が良かったら文句なしなのに・・・惜しいわね」


「!」


兄は固まっている。
私たちは玉美さんに背中を押されてカウンターに座った。


「お兄ちゃん今日はみなみの奢りだから好きなの飲んで」


「気持ちだけで十分だ。みなみは無駄遣いせずに貯めておきなさい」


「・・・たまにはいいでしょ?」


兄は昔から私に過保護で・・・でも私ももう大人なんだし兄と対等に話したい。
それでも引かない兄とやっぱり引かない私のやり取りに鈴之介がとうとう見かねた。


「妹の気持ちじゃない。奢られなさいよ」


「そうだよ!」


「みなみちゃんお兄さん孝行したいのよね」


1対3の状況とオカマ二人の迫力にさすがの兄も負け私の申し出を飲んでくれた。


「・・・みなみ、この人たちと仲がいいと言うがどんな知り合いなんだ?」


「そこのオカマとアパートが一緒なの」


「相変わらず失礼なガキだな!」


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