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限界Lovers
第30章 ラスボス登場
「嫌だ!」


「でもこのままじゃ・・・」


「嫌!私遥斗と予定通り結婚する!」


「みなみ」


「・・・結婚する」


ゴリラーマンと同じ血が流れるみなみも余程のものだ。
これじゃ互いが平行線なままじゃないか。
・・・どうしたものか。


俺の腕をギュッと握る手を見ながら人知れずため息をつく。


「明日・・・兄さん送りに行こう」


「・・・行かない」


「結婚は置いといても仲直りくらいはしろよ」


「あんなワカランちんと仲直りなんてできないよ!」


「みなみ!」


強く叱る俺にみなみはハッとして、でもすぐむくれた顔で下を向く。


「・・・みなみが仲直りしない事には進むモンも進まないだろ?少しだけ大人になれよ」


「・・・大人だもん」


どこが!
・・・というのは飲み込んだ。
今度は俺とみなみの喧嘩になってしまうと思ったから・・・







その日はそこまでにして風呂に入ってベッドに入った。
珍しく背中を向け合う俺とみなみだったがしばらくすると後ろからみなみが抱きついてくる。


何も言わず背中に縋るみなみから心細さが感じられた。


・・・甘ったれめ。
腰に回された手を包むと抱きつく力が強くなった。
その手をあやしていると背中が少し暖かくなり、スヤスヤと寝息が聞こえてきた。


「・・・フッ」


子供か・・・
ピッタリくっついた腕をそっと剥がしてみなみの方に向き直る。
いつもより不貞腐れた寝顔にかかる髪を払い形のいいおでこにキスをした。


同じシャンプーを使っても俺より甘いみなみの髪。
抱きしめて鼻を埋めるといつも不思議とホッとして・・・


不思議と気持ちが安らいで・・・




我儘なお姫様に癒されていつの間にか俺も眠っていた。





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