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限界Lovers
第31章 初めて記念日
ガキみたいだろうか。
みっともないだろうか。
それでも俺は・・・みなみちゃんが好きで・・・
みなみちゃんが欲しいんだ・・・
「・・・じゃあ」
門に手を掛けたみなみちゃんの腕を不意打ちで引いた。
何が起きたのか分かってない彼女を抱き寄せ唇を貪る。
「んっ・・・!」
反射的に押し退けるみなみちゃんを強く抱く。
離れる事は許さない。
息もできないくらい激しいキスを繰り返し・・・
この衝動をみなみちゃんにぶつけた。
よろけたみなみちゃんが門にぶつかる。
カシャンと金属の音がして、押し付けるようにみなみちゃんを抱きしめる。
「・・・るとさん」
唇を離すとみなみちゃんに小さく呼ばれる。
続く言葉が怖くてまた口を塞いだ。
寒空の中、二人の息遣いがやけにリアルで更に俺をおかしくさせていく。
みなみちゃんの髪を掻き乱して深く深く舌を絡めた。
しばらくキスを繰り返しやっと唇を離すとみなみちゃんが崩れ落ちる。
慌てて支えると一粒涙が零れた。
「・・・・・・ごめん」
そこで初めて我に返る。
「どうして謝るの?」
「ごめん・・・」
・・・これじゃ八つ当たりだ。
みなみちゃんは悪くないのに・・・
―――その時だった。
「みなみ?」
突然呼ばれて跳ね上がる俺たち。
「お、お父さん!」
・・・お父さん!?
立っていたのは飲み帰り丸出しの中年男性で・・・
みなみちゃんが慌てて涙を拭った。
反射的に俺はお父さんに向き直る。
「あ、あのっ!初めまして!みなみさんと昨年末からお付き合いさせていただいております!山下と申します!」
ガバッと頭を下げて俺、冷や汗。
何だ?なんの挨拶だコレ・・・
突然の自分の行動に驚いていた。
「・・・いやー・・・みなみの彼氏?びっくりだねぇ」
ハハッとお父さんは笑って門に手を掛ける。
「勢いがあっていいよ、うん。みなみのことヨロシクね」
そしてヒョロヒョロ家の中に入って行った。