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ラブ❤ゲー!
第8章 休憩してあげる
「おーっし、弟。城買ってこい」
「誰に言えばいいのー?」

そのやり取りに、クロウはくいつくかと思えば城のほうへと駆け出していた。
ルイも一緒に……。

「おーい、双子ー。帰ってこーい」

叫んでも、2人は人ごみの奥に消えてしまっていて……。

「しょうがない、他の奴に買われる前に買うぞ」
「だからー、誰に言うのー?」
「すぐ近くに取り扱いセンターがあるんだ」

ナビを弄りながら、エリさんは道案内をしてくれる。
何やら、このナビに道順が載っているんだとかで……。

たどり着いたのは、大きな建物だった。
見た目も非常に立派な建物で……、その建物の前は凄い行列になっていた。
そうして、たっくんは手慣れた様子で近くに居た人を捕まえるとナビを見せる。

定員さんは驚いたような顔で、別な入り口へと案内してくれたのだった。

「現在、一千万!」

そこは、何人ものVIPID所有者が並ぶオークション会場になっていた。

「こりゃ、諦めるか」
「うん、そうだね」

オークションなら仕方ない。
お城は買って上げたいと思うけど……、流石に一千万以上も出せる気がしない。

「えーと、じゃあ一億程度でいいかなー」

のんびりとしたたっくんの言葉に、辺りは騒然とする。
私も、一億という言葉に驚いたけど、たっくんなら普通だと思う。
私と違い、一族唯一の男の子であるたっくんは一兆円くらいのお小遣いを何人者人達から貰っているので、仕事をしたお金だけで生活している私とはお金の使い方が全然違う。
だからこそ、親戚の人達はたっくんではなく私に社長になれという声があるほどで。
それでも、私は月に1個アイスを買ってしまうとか、ちょこちょことした出費が多いから向いてない気もするんだけど。

「い、一億円出ました!!」

その後、辺りは静まり返り、無事に城を落札出来てしまった。

「おいおい、そんな大金出して大丈夫か?」
「うん、今月何も使ってないし」
「確か、おじいちゃんから5兆円貰ってたよね」
「うん、他のおじさんからもお見舞いとかで色々貰ったよ」
「羨ましい話だなー、姉はどんくらいだ?」
「月に最低50万の出費があるだけで、貰ったりしてないよ」

まぁ、その出費も次の年からなくなるんだけど。
とは言っても、何年かかってもたっくん程稼げるわけもなく……。
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