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第8章 休憩してあげる

そう理解してしまうと、ルイにエスコートされるのも嫌になって。
あんなに下心丸見えだったエリさんの発言に何も言わなかった理由もだんだん理解できちゃう。

そうだ、私はルイが苦手なんだ。
自然と、ルイを避けてしまっているんだと理解するのには時間はかからない。
だって、いつもの事だし。
ただ、クロウっていう潤滑油的存在が居たからどうにかなっていただけ。

こういう所が変に男らしいというか……、なんていうか……。
だから、男の人って嫌い。

そう理解してしまうと、男の人達の中に居るのも嫌になって、もうログアウトしてしまいたくなる。

「ほーら、お前はそうやって平然とする所が姫を怒らせてんじゃないのか?　ちょっとは謝ったりする姿勢を見せればどうだ?」

もやもやしていた時に、私の心を見透かすようにフォローしてくれたのはエリさん。
なんていうか、やっぱりこの人だけは信用できる、そんな気がしてくる。
誰とでも仲良くできるし、本当に凄い人だなぁ……。

「いや、だから俺は理由があってやっていたから悪いわけじゃ……」

その時だった。
リヒトさんの重たいようなため息で、辺りは一瞬にして静まった。

「君ってさ、物事を全て軽く考えすぎてるよ」
「あー、もう悪かった悪かった。皆して攻めなくったっていいじゃん?」

そうして、逃げるようにルイは先に行ってしまって……、すぐにエリさんがエスコートしてくれた。
タイミングを見計らっていたのか……、それはわからないけど。
こうやって、すぐに逃げてその後怒られた事を忘れてしまうのがいつものルイ。

「ごめんね、姫ちゃん。アイツ悪い奴じゃないんだけどさ」
「ううん、大丈夫だよ。それより幼馴染なんだね」
「あー、うん。俺とルイとユリちゃんは幼馴染なんだ。ユリちゃんとは親戚でもあるしね」
「へー、ユリさんとエリさんって、何処で知り合ったんです?」
「あー、俺は小学生の時だな。小学生の低学年の頃に、こいつが引っ越してきたんだ。引っ越す前に一緒に遊んでたのが、リヒト達って感じだったか?」
「……うん、そうだよ」

それなら、全員幼馴染同士になるんだ。
結構意外でびっくりしたかも。

「そうそう!　実の所隼人も幼馴染なんだよ」

その言葉で、私は目を見開いた。
ルイと隼人君が幼馴染だったなんて、意外。