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ラブ❤ゲー!
第8章 休憩してあげる
「相当参っちゃったみたいだね……。大丈夫?」
「う、うん……」

苦笑しながら、皆と合流すると心細かったり怖かった気持ちも一気に吹き飛んだ。
そうして、ヴェネツィアでいいお店が無いかと探していると……、女の子の人だかりができていて。
明らかに、私を突き飛ばしたりした人達も居るから、さり気なくクロウの横へと避難する。
すると、気づいてくれたクロウは、女の子達から私が見えないように、壁になってくれて……、本当に助かった。
後は、ルイ達が空気を読んでくれれば……。

「あー、リヒトー! お前等も来たんだー。マジ可愛い子と知り合っちゃってさー」

ば、ば、馬鹿ぁぁぁぁぁっー!!

絶体絶命のピンチに、私は半泣きになる。
こんな状況で一緒に居るの見つかったら、どうすればいいの……。
頭の中が真っ白になり、こういう時にどうすればいいかなんてわからなくて……。

実の所、中学も高校も大学も女子高だったから、女の子に慣れていると思っていたんだけど。
あんなにきつい女の子達は初めて見たかも。
女の子達って、もっと優しい生き物じゃなかった!?

パニくってると、クロウが私の手を引っ張って走り出した。
人ごみの中を上手く避けながら走っていて、私もクロウに続いて走る走る走る……。

そうして……、人ごみから抜け出した時には、ルイやリヒトさん達が見えなくて、離れられた事を察した。

「ありがとうね、クロウ」
「安心しろ、ああいう事には慣れているのでな」
「クロウ……、苦労したんだ……」
「う、うむ。祐人はヘタれだから、どうも女を遠ざけてくれないのだ……」
「自然と強くなっちゃうんだ……」
「それにしても、彼奴はどうしてお嬢様をこんな目に合わせるのか」

はぁ、とクロウは深いため息を付いた。
でも、そのお陰でクロウト2人きりで話すことができたんだし、私はとっても嬉しいの。

「クロウ、体は大丈夫? もう会いに行っていいのかな?」
「すまぬ、今会うわけにはいかぬ故、もう暫く待ってはくれぬか?」
「クロウ……、本当にどうしたの?」

それを聞くと、クロウは目を伏せて唇をきつく噛んだ。
……聞いてはいけない、踏み込んではいけない。

「ごめんね、クロウ。無理に聞こうとして。話したい時でいいから」
「……すまぬ」

クロウは、今にでも泣きそうに瞳を揺らしていた。
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