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ラブ❤ゲー!
第8章 休憩してあげる
私が、大牙さんの手を振り払ったのを見て、大牙さんは気まずそうに目を泳がせた。

「あー、まだ謝ってなかったか。悪かったな、急すぎて対処ができなかった」
「べ、別にいいよ。睦月が居るから、気にしないで」
「謝ろうと思ったけど、タイミングがなかったんだ」
「気にしてないって」
「気にしてるだろ。ギルドだって、サブマスのルイが冗談半分で居れただけだ。お前等が抜けた後は、慌ててギルドから追放していた」

ため息をつきながら、大牙さんは私との間を埋めてくる。
元々壁にもたれ掛っていた私は、隅のほうへと追いつけられていき……、そのまま、大牙さんが目の前に立って、逃げ道を塞がれてしまって。
顔の横には大牙さんの手があって、まさにこれが『壁ドン』って感じの状態。
「き、気にしないで。遊んでていいよ」
「気になるから、こうやって来てるんだろう? そもそも、あの女達は弟のVIPIDや金が目的だし」

信じていた自分が馬鹿みたいで……、開放されたくて。
それでも、動いてくれないから下を向いたままになってしまう。

「なぁ、顔上げろよ?」

大牙さんに頭を撫でられ、そのまま髪にキスをされる。
慣れていそうな行動に、胸が軋んだ。
こんな短期間で近づいてくる人だって、可笑しい。
信用なんか、しなきゃよかったと深く後悔する。

あの時、話しかけなきゃよかった。
そうすれば、一生出会う事もなかったのに……。
できれば、出会う前まで戻りたい、そうすれば……。

「なぁ?」

無理やり顎を持ち上げられて、大牙さんと目が合う。
猫のような大きな瞳と目が合った。
その表情は真剣そのものだけど、どうも心のモヤモヤは拭う事はできない。
なんで、なんで私なんだろう。
アコライトさんを見つければいいじゃない。
なんで、なんで私なんだろう?

顎を持ち上げられたまま、一応抵抗はしているものの全然脱出ができない。

その時だった。

「お嬢様ー、お出かけ……って、お取り込み中でしたかっ!」

慌てたような、睦月の声が聞こえた。
その時、大牙さんの力が緩んだのですかさずエレベーターの外に出る。
いつの間にかに一階に到着していたみたいで、そのまま車のほうに行こうとすると大牙さんが付いてきた。
もちろん、いつもの調子でエスコートしようとするけど、手は払いのける。

「え、えと……、どうすれば……」
「睦月だけでいいよ」
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