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ラブ❤ゲー!
第8章 休憩してあげる
「俺も行くに決まってるだろ」

大牙さんが、後ろの席のドアを開けてくれるけど私は自分で助手席のドアを開けて乗り込んだ。
仕事だから、近くに居る事は仕方ないけれど……、これ以上親密にはさせない。

「え、えと……」
「車を出して」
「は、はい……」

睦月を巻き込んで、本当に悪いと思う。
この人が戻ってくるなんて思わなかったから……、もっと早めに移動すればよかったと非常に後悔してる。

「ったく、少しは話を聞け」

睦月は、おどおどした様子で運転をしている。
睦月を巻き込んでいるにも関わらずに、問答無用で食いついてくるこの人……。
次第にイライラが最高潮に達してくる。
上に報告して、担当変えようかなぁ。

「あー、もういい! 降ろせ」
「え、えぇっ!?」
「降りたいらしいから、降ろしてあげなさい」
「は、はい……」

自分で役割を変えるなりなんなりするだろう。
元々、関わりあう事は無かった人なんだから、元の関係に戻る。
ただ、それだけ。

大牙さんが降りたと思ったら、乱暴に私が乗っている助手席のドアが開いた。
開けるとは思ってなくて、驚いたけれど……、突発的な事に対応し切れずに、私はそのまま車から引きずり出される。

「な、何っ!?」
「俺のバイクで出かけるぞ」

強制的に姫抱きをされて、そのまま大牙さんは歩き出す。
暴れても暴れても降ろしてもらう事はできずに、そのまま睦月の心配そうな声もだんだん聞こえなくなってきて……。
そうして、警察署近くの駐車場に付き、一台の黒いバイクの前で降ろされた。

「ねぇ、降りるんなら勝手に降りてくれない? 私を巻き込まないで!」

ヘルメットを押し付けられたけど、絶対受け取らない。
絶対、絶対乗らない。

「メイドの所に連れてってやる」

その言葉に、私は言葉を詰まらせる。
桜、桜と会えるの!?
でも、桜は会いたくないと……、まだ時間がほしいと言ってた。
だから、私は後ずさる。

「会いたくないのか?」
「桜が、まだ時間がほしいっていうから」
「ぱっと顔を見るだけならいいだろ」
「桜が見られ無くないんだって」
「いいから乗れ、何処に入院してるかだけでも教えてやる」

桜が何処に居るか……、それだけでも知りたい。
そう思って、私は大牙さんに言われるがまま、ヘルメットを被ってバイクに乗った。

「きちんと、掴まれよ」
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