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ラブ❤ゲー!
第8章 休憩してあげる
「はーい、誰ー?」

ドアを開けると、そこには見知らぬメイドが立っていた。

「お嬢様、弁護士の明様より会社の経営に関する情報が送られてきました」
「あ、ありがとう」

書類を見ると、大体はお父さんに関する事だった。
本家の会社が、今倒産の危機にあるらしくて……、それの理由がお父さんだ。
詳しく言うと、お父さんの親友さん。
親友さんが無茶な注文ばかりしてきて、その要求を全て飲んでいるから……、自然と黒字のお金は親友さんに持っていかれてる状況なので、赤字が大きくなり、このままでは倒産するらしい。
こんなザルな勘定で、よく経営してられるものだなとお父さんに驚いてしまう。
けれども、このまま公表するとうちの会社だけではなく親戚達の会社にも大きな影響があるのは確か。
でも、このまま野放しにして本家の会社を手放すとそれもそれで、親戚の会社にまで影響がある。

……どうしたものかなぁ。

たぶん、お父さんは自分が甘い汁を吸い続けたいからと絶対親友と縁を切るなんてしてくれなさそう。
お父さんを離婚させるにしても、この事が公になってしまう可能性もあるから……。

どうしよう、そう頭を悩ませている時にドアがノックされた。

「はーい、どうぞ」

またメイドさんかと思ってドアを開けると、ご機嫌斜めな大牙さんが立っていた。

「あれ、どうしたの?」
「何でもない」

それだけ言うと、大牙さんは私の部屋に入ってきて、ベッドの上で寝転んでしまう。
……そうだ、丁度良いや。
大牙さんって警察の人だから、どうにかしてくれないかな?

「ねぇ、大牙さん。お仕事以外の事なんだけど……、一つだけお願い聞いてくれない?」
「あ?」

不機嫌そうに返事をする大牙さんがかっこよくて、胸がきゅんと高鳴る。
その時、この頃変だなと頭を悩ませた。
だって、同じ顔でも偽の大牙さんが偽者だとは理解してなかった癖に、全然ときめかなかった。
なのに、本物の大牙さんの時には、可笑しいくらい反応してしまう……。

これって、何なんだろう?

顔が真っ赤になるのも抑えられないまま、私はその場から逃げ出したくなる。
だって、何かに気が付いた大牙さんが……、固まってる私の顔を覗いてきたから。

「へー、お願いって何? きちんと言ってみ?」

変なお願いじゃないのに、色っぽく笑う大牙さんを目の前にすると何も言えなくなる。
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