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ラブ❤ゲー!
第2章 2章 なってあげる
少しだけ俯きながら不機嫌になるその姿は、ハニーブロンドの肩まであるストレートヘアーが風に靡いて非常に絵になる。

「……珍しい、凄く怒ってる」
「あ、やっぱリヒトさんってあんまり怒らないんだ」
「……うん」

非常にリヒト王子は凄く苛立ってる様子で、不機嫌そうな表情のまま片足で体重を預けている壁を蹴っている。

「鍵って誰が持ってるの?」
「……ギルドマスターしか開けれないから、エリアスしか開けれない」
「ああ、だからルイフォードさんも外で待ってたんだ」
「……そう」

怒らせている当本人達は、王子が怒ってる事も気づかずに楽しそうに漫才をしている。
2人は、楽しそうにふざけ合いながら話している。
とても仲よさそうだけど、内容のほとんどが下ネタっていう……。
同じ内容の会話でよくここまで会話が途切れずに話せるな、そう思った私のコミュニケーション力が引きすぎなだけなのかな?

そんな事を考えていると、リヒト王子の目がマジになってくる。
眉間にしわを寄せ、大きかった目は細くなっていて……、そんでもって持っている杖は少しヒビが入っている。
……これは、やばい!! マジ切れ寸前五秒前!!

「リリ、リヒトさん。他の人は置いといてどっか行こう!」
「……賛成、買い物したい」
「そうだね、帰ってきた頃には話が終わってるかもしれないね」

案外あっさりと同意してくれたリヒトさんにほっとしながら、漫才を続けている2人を置いて行った。
置いてかれてる事も気づかずに、現実で狙っている女の子の話で盛り上がっている。

「さぁて、お姫様。何処へ行きたい?」
「うーん、まだよくわかんないや」
「……てきとーにぶらぶらしよう」
「はー……、聖ちゃんの名前も決めないといけなかったのに、ギルドルームに入れないし」
「まぁまぁ、後でも決められるじゃん?」
「そうだね」

でも、不思議。
私の本当の名前はあるのに、ヴァーチャル世界に来ただけで新しい名前を付けないといけないなんて。
しかも、本当の名前は言ってはいけないのがルールみたいで……。
まだまだ知らない事はたくさんある。

……そう、今目の前にある光景も、私の知らない光景。
いや、むしろ知りたくない光景。
この光景の中には見知った人の姿もあって、目を覆いたくなる。
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