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ラブ❤ゲー!
第5章 可笑しくなってあげる
普通の家庭に生まれてたら、きっとお母さんだってお父さんのような金目当ての男と結婚しなかった。
初恋で両思いだったフルート奏者の人と結婚出来ていた。
たっくんだって、心の底から親友と言える人が出来ていた。
ママだって、私と引き離されずに毎日私の無事を考えて泣きながら生活する事なんてなかった。
お金さえあれば幸せになれるっていうけど……、何事も程ほどじゃないと不幸になる。

いや、むしろお金が人を不幸にしているのかもしれない。

「ずっと聞きたかったんだけど、なんでお前って許嫁の奴隷になってんだ?」
「お父さんが隼人君を気に入ってるから。結婚させたいんだって」
「なんか、人柱みたいだな」
「昔からこうだったから」

ぽつりぽつりと雨が落ちるように語る私を見て、エリアスさんは目を細める。

「それにしては、不幸ですって顔してないな」
「だって、これが普通だもの」

そう、いくらレイプされようが、他の男に売られようが、目の前でエッチしてる所を見せ付けられようが全ては普通。
高校時代の友人は可笑しいよ、と言っていたけれど……、生まれた時から私は可笑しかったのかもしれない。
でも、不幸だとは思わない。
お母さんとママが支えてくれる、ただそれだけで私は生きていけるから。
大きくなって、お父さんが寝たきりになったらお父さんを捨てて、隼人君ともさよならしよう。
それまで、たっくんを守りながら頑張ると決めた。
その時まで、私はずっと道化師のように与えられた役割を演じ続ける。
ただ、それだけ。

「辛くないの?」
「そのうち終わるよ」

いつかいつか、お父さんを捨てる時が来たら、その時はお母さんを連れて大好きな人を探しに行こう。
そして、フルートを聞かせてもらうの。
お母さんが大好きだった、海の洞窟の中で。
小さな小船に乗って、潮風に包まれながら好きなだけ聞かせてもらうの。

そうしたら、浜辺の教会で結婚式を開こう。
離れ離れになった2人へ最大のお祝いの言葉と共に。
咲き誇る白百合の香りに包まれながら。
永遠の愛を見届けよう。

それまで、私は頑張る。

「強いな、お前」
「やりたい事があるから」

おじいちゃんが止めようが、無一文になろうが構わない。
その時が来るまで、私は自分の足で立てるようになるまでだから。
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