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ラブ❤ゲー!
第5章 可笑しくなってあげる
「……柳、お嬢様の相手は私<わたくし>がします」
「さ、桜! 何故ここに……」

勢いよくドアを開けて中に入ってきたのは私専用メイドの桜。
柳の双子の姉で、昔は柳と桜の2人が専用召使だった。

「お嬢様のメイドは私です。それにそんな不埒なゲームをお嬢様と二人っきりでするなんて、うらやま……じゃなくて浅はかな考えは止めなさい」
「そんな言いがかりなっ! 自分はただ、お嬢様が遊びやすいように忙しい合間でも遊べるように少人数でできるゲームを選んだまでです!」
「ペアでする、セックス必須のゲームをですか?」
「くっ……!」

あの、桜ちゃん。
そのゲームは、悪いけど柳とするより貴方とするほうがまずいと思う。
流石に百合とかレズの道には踏み込みたくないというのが本音。
しかし、柳がそんなゲームを選択するってやっぱり女好きな性格は変わらないんだなーとしみじみと実感。

「そんなに飢えてるんなら、2人でやればいいでしょう」

時間を見ると、もう夕飯を作る時間。
お昼も終わっちゃってるし、お母さんもお父さんもご飯を食べて無いからお腹を空かせてると思う。
リビングの所に行くと、泣き疲れて突っ伏しているお母さんが1人。
お父さんが居ないな、そう思って悪いとは思うけどお母さんを起こす。

「お父さんは? 夕飯はいらないの?」
「うーん、隼人君と会社の事で揉めて、外に行ったわ」
「え、どういう事? 詳しい話はできる?」
「ええ。お父さんは、貴方を社長にするために育てたのよ。それを、隼人君は自分が社長になれると勘違いしてて」

それは、初耳。
特に何もしてくれないあのお父さんが私の事を考えていたなんて。
やっぱり腐っても親なのかも。

「我侭放題させてやったのに、恩を仇で返すなんて! ってお父様が怒っちゃって。今まで貴方が使ったお金や慰謝料を払ってもらうって、隼人君の耳を引っ張って出て行っちゃったの」
「お、お父さん……」
「お嬢様、隼人様に電話をかけておきました」
「ありがとう、桜」

私が思った事は全て先に実行している桜。
万能すぎて私にはもったいない存在。

とりあえず、電話をかけていると数コールで電話が通じた。

「あ、隼人君? うちのお父さ……」
「おー、やっと会社の権限渡す気になったか?」
「いえ、その話よりお父さんを……」
「返してほしけりゃ、権限渡しな」
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