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ラブ❤ゲー!
第5章 可笑しくなってあげる
その言葉に、私は固まる。

「お父さんに何をしたの!?」
「んー? ただ、息子に会えるって言ったらホイホイ付いて来たまでだ」
「た、拓斗にも何かしたの!?」
「……ぷっ、これだからお嬢様育ちは困る」
「どういう事!?」
「そのまんまの話。大人しく金を貢いでおけばいいものを会社は渡さないとか、俺のお気に入りの部下を止めさせたり、ちょっと反抗的なんでな。"躾"をしなきゃなぁって。まずは一番うざい拓斗からやらせてもらったってワケだ」

ケラケラと冗談を言うような口調で恐ろしい事を言う隼人君。
そうだ、そうだ。
この人は、いつだって犯罪者のような行動をただのいたずらのように話す。
私を無理やりヤった時だってそうだった。

「待ってなさい、すぐに特定するからっ! そうしたらすぐに警察へ突き出すから」
「はー? ヴァーチャル世界に来た事のないおじょーさまになぁにができるんでちゅぁぁー?」

隼人君の後ろのほうでは、下種な笑い声がいっぱい聞こえる。
その場には、隼人君以外の人も居るみたいで。
とりあえず、確信したのはやはりたっくんはヴァーチャル世界に居る。
それも、ヴィーナスオンラインの線が強いって事。
VRMMOがしたかったと以前から柳に頼み込んでいたたっくん。
けれども、柳がつっぱねていて。
しかも、自分では作れないように、柳しかたっくんのIDを作れないように細工までして。
そのたっくんが、いきなりヴァーチャル世界のIDをゲット。
この線だと、渡した相手は隼人君しかいない。
私は、一か八かの勝負に出る事にした。

「はーん、やっぱりアンタはヴィーナスオンラインのレイプギルドのマスター?」
「……っ! なんで知ってるんだ!!」
「たっくんが捕まったから、貴方の情報を警察に送ったのよ。貴方の実家の情報とか、全てね」
「余計な事しやがって!!」
「実家を警察が調べちゃうかも。色々危ない事とか出てくるかもねー?」
「お前っ、俺に逆らったら父親に何されるかわかってんのか!?」

出た、十八番の台詞。
この言葉のせいで、私は言いなりになっていたけど今は違う。

「悪いけど、その"お父さん"を探す為の行動だからね?」
「ちっ……、どうすりゃ警察を止める?」
「お父さんの身柄を返して。ヴァーチャル世界から救い出すのは自分でやるから」
「……場所言えよ」

機嫌が悪そうな隼人君の声が聞こえた。
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